江戸時代の画家、尾形光琳(1658~1716年)の代表作の一つ、国宝「紅白梅図屏風(びょうぶ)」について、東京理科大の中井泉教授が14日、静岡県熱海市のMOA美術館で開かれた研究会で「屏風の金地は金箔(きんぱく)である可能性が極めて高い」と発表した。

 「紅白梅図屏風」は同美術館が所蔵。美術史家らは「金箔が使われている」と考えていた。だが、同美術館と東京文化財研究所が03~04年、「蛍光X線分析装置」などを使って行った共同研究では「金の含有量が微量」との結果が出た。このため、金箔ではなく、金粉をにかわで溶いた金泥が使われた可能性が指摘されていた。

 一方、中井教授は昨年、世界最高水準の「粉末X線回折計」など4種類の高感度分析装置を使って調査。その結果、金箔とほぼ同じ光沢が確認されたうえ、結晶が並ぶ向き(配向)が金箔と同一なのが分かったという。

 異なる結果が出たことについて、中井教授は「分析機器の能力が飛躍的に向上し、作品と調査機器との距離を縮めて精度を高めたからではないか」などと説明。同美術館の内田篤呉副館長は「今回の発表は金箔説を強く打ち出したものだが、現段階で結論はつけられない」と話している。【岸桂子】

<東名高速>トラック3台が事故…1人重体 静岡(毎日新聞)
<不明男性強殺>5容疑者を再逮捕…千葉県警(毎日新聞)
<群馬・たまゆら火災>借金返済のため運営 高桑容疑者供述(毎日新聞)
元特攻隊員に64年ぶり被爆手帳=長崎湾の魚雷艇、「証拠なく苦労」-宮城(時事通信)
【党首討論】小沢氏らの証人喚問を要求、自民・谷垣氏(産経新聞)