強迫性障害を乗り越える方法を紹介しています

強迫性障害を乗り越える方法を紹介しています

わかっているのにやめられない、おかしな行動を繰り返す、このような場合は強迫性障害(OCD)が疑われます。家族や知人ににそんな人がいませんか。強迫性障害は治療すれば治る病気です。そんな強迫性障害治の療法について書いてます

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ERP(エクスポージャーと儀式妨害)を行っているときの家族の対応

ERP(エクスポージャーと儀式妨害)は本人にも家族にも苦しい戦いとなります。ですが、一番辛いのは本人ですから、ご家族はそれを応援してあげてください。第一に知識がないと戦えないので、ご家族はOCD(強迫性障害)がどんな病気なのか、ERP(エクスポージャーと儀式妨害)という治療法について知ってください。

強迫行動をしたいと泣き叫ばれたとして、家族で共通の話し合いが持たれていないと父親だけ挫折したり、母親は続けさせたりと、意見が分かれることがあります。これは治療の妨げとなります。家族も本人の不安や心配を受け止める練習をしたり、乗り越えるための心構えを話し合ったりして共通の認識を持つようにしましょう。

そして覚悟をきちんと決めてください。

ERP(エクスポージャーと儀式妨害)がトラウマになり別の病気になるのではないかという不安を持たれる方が多いようですが、その不安に慣れる事こそ家族の試練なのです。

日々の比較はしないでおきましょう。
調子の良い日もあれば、悪い日も当然あります。出来なかったことではなく、出来たことに目を向けて褒めてあげてください。小さな成功を評価することで、患者本人は元気づけられ治療意欲が高まります。

そしてこれが一番大事なのですが、巻き込まれないように注意しましょう。手伝わないことが一番の支援です。つい可哀想になり要求された回答や、行動をしてあげたくなる気持ちはわかりますが、そのように脅迫行動を肩代わりすることは治療の妨げに他なりません。
助けるどころか、本人を苦しめることになります。病気がそう言わせているのだと理解して、毅然とした対応をとってください。回数が減ったり、本人に変化が見られた時にはすかさず褒めてあげましょう。

曝露反応妨害法実施中の家族がとるべき行動


曝露反応妨害法は、患者本人にとって、苦痛以外のなにものでもありません。

いろいろな中毒症状と戦うには、衝動と戦う必要がありますが、曝露反応妨害法は

「したいことを我慢する」以上に、「やりたくないことをやる」という必要もあるため、

それこそ逃げ出したくなるかもしれません。


そんな時、家族の協力は、治療成功にむけて、大きな力になります。


治療は家族で行う心構えが大切


愛する家族の誰かが、辛い思いをしているなら、できることはなんでもして

あげたいと思うかもしれません。しかし、OCDの治療において、普通は

してあげたいと思う事を、あえてしてはいけないような事もあります。

愛情は、その場限りで喜んでもらうだけでなく、相手にとって最も益になる

事を率先して行うものです。それには、なにをすべてきで、なにをすべきでないか

という「知識」も必要になってきます。


まず、OCDとはなんなのか?曝露反応妨害法とはなんなのか?専門家の意見を聞き、

会の説明などがあれば足を運び、正しい知識を身につけましょう。


子供の曝露反応妨害法に関しては、両親の協力がもっと不可欠なものになってきます。

子供は感情を素直に表現するため、やりたいことと、やりたくないことに敏感です。

それだけに、子供がやってほしくないことをあえてやらせなければならない、

したくないことをさせなければならない、そんな状況もあるため、親にとっても

非常に辛い気持ちになるかもしれません。


そのため、母親は「子供のために自分も一緒に苦しんでがんばろう」と思うかもしれませんし、

父親は「もうかわいそうだから他の方法を考えよう」と言って、意見が違う事もありえます。


そのため、子供の曝露反応妨害法を実施する際は、親もそういった不安や心配、辛さを

受け止める必要があるんだ、という事をよく理解して取り組まなければなりません。

よく話し合い、夫婦で気持ちを共有し合うのも、非常に大切な事だと言えます。

「子供の嫌がってノイローゼになるのでは?」「トラウマになってずっと尾を引いてしまう事に

ならないだろうか?」などという心配もあるかもしれません。実際、親自身も、そのような

不安に対するエクスポージャーが必要と言えるかもしれません。


できないことではなく、できたことに目を向ける


よく、「褒めて伸ばす」という言葉がありますが、曝露反応妨害法においても、

「褒めて治す」という言葉があてはまるかもしれません。

どうしても、してはいけないこと、やらなければいけないこと、が明確に決まっているため、

できなかった場合や、禁じられている事をやってしまった場合は、その事に注意をむけて

しまいがちです。


特に子供は普段から躾が必要なため、普通の子供であっても、やっていいことと悪い事を教え、

叱る事は日常茶飯事です。


それだけに、なかなか難しい判断ではありますが、曝露反応妨害法の実施中は、

本人ができなかったことを叱りつけると、よけいに恐怖を増大させてしまい、

逆効果であることを肝に銘じておきましょう。


例えば、うっかり必要もないのに石鹸で手を洗ってしまった場合に、

「ダメっていったのになにしてるの!」と、咎めるより、

「昨日より洗う時間が短くなったね。明日はもっと短くなって、あさってには1回

手を洗う回数を減らせるかもよ?」と、少しでもできた事に注意を向けさせましょう。

OCDの場合は、本人にとっても、自分がしてはいけないことをしてしまったと

いう自覚もあるため、できなかった事ばかりを咎めると、「しないと気が済まないんだから

仕方ないじゃない!」と、強迫感情の理由を持ってきてしまいます。


こうなると、治療へ前進する足がかりをなくしてしまいます。


儀式行為に巻き込まれないよう一貫した態度を保つ


恐怖により儀式行為は、家族や周囲の人を巻き込むことがよくあります。

例えば、加害恐怖・確認強迫の場合は、「クレジットカードを落としたと思うんだけど?」

と確認を求めてくるかもしれません。


ここで、「落ちてなかったわよ」と言ってしまうと、一見本人に安心を与えるように見える

かもしれませんが、OCDでは、この行為は儀式参加になり、確認強迫をさらにエスカレート

させてしまう行為になります。


正しい対応は、「落ちてたけど、もう誰かに拾われちゃったわよ」というセリフを、一貫して

言い続ける事です。安心させる一言を求める患者本人は「落ちてなかったといってほしい」と

求めてくるかもしれませんが、「これは強迫感情に言わされているだけ」と、冷静に考えて、

一貫した態度を貫き通しましょう。

そのうち、その一貫した態度が功を奏し、確認を求める行動が減ってきます。回数が減ってきたのを

しっかり確認したら、そのことを褒めてあげましょう。

それがなにより、辛い戦いをしている本人の力になります。

辛い姿を見て、ついつい相手の望む言葉をかけてあげたくなるかもしれませんが、

その一言が治療を大きく後退させてしまい、結局は本人を苦しめてしまう結果になってしまいます。


本当の愛情は、患者本人にとって、もっとも益のある事をしてあげることです。

家族も辛い気持ちになりますが、一緒に戦う覚悟をもって、曝露反応妨害法に取り組んでいきましょう。


自身のOCDの回復の程度について知っておくことが大切


OCDは治せる病気です。


しかしまだERPを試していないなどして本当に

治るのかどうか不安に思っている方もいるでしょう。


ERPをやるという意思が固まっているのに最後の一歩が

踏み出せないという方は、勇気をもってチャレンジしてみてください。

専門家はいないし、精神科に行くことに抵抗がある方も多いと思いますが、

想像しがちな暗いイメージとは異なり、現在はどのクリニックも

清潔で明るい印象を受けることが多いです。


また、治療によってどれだけ治るのかというのは、患者さんの

状態や周りの環境、治療法や治療者によってまちまちです。

症状改善のためには受診することが第一歩なのです。


既にERPを実践していて、症状がまだ残っているが軽くなったと

実感していたり、良くなったと実感している方たちは、自分が

どの程度回復しているのかを知っておくと今後の指針となります。


このときY-BOCSという強迫性障害の重症度を点数としてみることが

できるテストを用いるとわかりやすいかもしれません。


本来であれば、本人だけではできないテストなのですが、

最近はセルフチェック用にアレンジされ、インターネットなどに

載っているので、簡単に自分の回復度を確認することができます。


是非、こちらを目安にしてみてください。


OCDが回復するまでには3段階あります。


・軽快

少し良くなった状態。

まだ症状や回避が残っているので油断するとすぐにぶり返してしまう。

Y-BOCSで22~26点程度。


・寛解

かなり良くなった状態。

強迫観念が浮かんでも、ほとんど脅迫行動をしたい衝動に駆られない状態です。

日常生活には支障をきたさない状態にまで改善された状態をいいます。

Y-BOCSで16点以下。


・回復

恐怖に感じたり、避けたいものがほとんどない状態。

もしくは、それらがあったとしても日常生活が無理なく送れる状態。

回復するという状態はあくまで結果であって、受診前に患者さんや

家族が予測できるものではありません。

完治、完璧を求め過ぎないことが寛解につながります。

Y-BOCSは7点以下。


また上記のように寛解、回復しても波があるのが普通です。

病気と上手く付き合いながら、焦らずできることから始めましょう。


さらに回復には2種類あります。

薬を飲んでいる回復と、飲んでいない回復です。


まず薬物療法をして回復状態になったとして、薬をやめてしまうと

2~3ヵ月で50%近くが再発してしまうのです。


この再発というのは症状が治療前と同じくらいのレベルに

戻ることを指しますので、1度脅迫行為をしてしまったから

といって再発したとはいいません。


強迫的な行為を習慣化しないようにコントロールできれば

良いわけですから、そのような症状が出たとしても焦らないでください。


3ヵ月以内に再発すると、同じ量のお薬もしくは、増やさないと効果はありません。

なお、専門家の意見では3ヵ月再発しなければ、半数ほどの人がそのまま回復に移行します。


この薬物療法はERPと併用して回復した時も同じで、薬の服用を

やめると再発する可能性があります。


薬物療法は副作用もありますので、続けるかどうかを迷うようなら、

断然ERPで回復する方が、再発の症状にだけ気を付ければ

いいので心配事が少ないです。





12年間強迫性障害で苦しんだ我が家の兄が強迫性障害を克服できた方法がこちら

OCDの再燃・再発


 OCDの治療をはじめ、辛い思いもたくさんして、

ようやく回復状態にまでこぎつけたとしましょう。


しかし、恐怖や強迫がなくなったからといって、

再燃・再発の可能性まで消えたわけではありません。


常にその可能性はあるため、どのように再燃・再発を予防できるか、

また、再発してしまった場合の対処はどうするべきを知っておくことは必要です。


・再燃と再発の違いについて


ERPによって、OCDを治療した場合、自分に自信がついてきます。

ERP自体が、辛い状況に長い間耐えなければならないこともあり、

徐々に治療の成果を実感することができます。


回復段階にまで到達すると、

「もう強迫観念なんて微塵も感じない」

と思えるかもしれません。


しかし、私たちの脳はコンピューターよりも高性能です。

OCDの治療において、恐怖や強迫を改善したとはいっても、

上書き保存をしたわけではありません。


あくまでも思考を矯正したのであり、

強迫の火種となるものは、ずっと頭の中に存在しています。

当然、何かのきっかけや、刺激によって、

その火種が再発する可能性はあります。


もちろん、これは完全に回復した場合に起こることもあれば、

治療途中に起こる場合もあります。


治療途中に、よくなりかけたのに、

また症状が悪化してしまう場合は「再燃」。

完全に回復したはずなのに、数か月後に症状がまた

見られるようになってしまうのが「再発」です。

 

これらは火が燃える事象でイメージする事ができます。

よく、タバコの火が原因で火事になることがありますが、

消したと思っていてもまだ火自体が残っていて、

そのうち燃え広がってしまうのが再燃のような現象です。


完全に火自体は消していても、火が付きやすく燃える物質は

そのままそこにあるため、燃えてしまう要素が加われば、

何か月かたった後でも火事の原因になるのが再発のようなものです。


OCDの治療中は、自分がどの回復段階にあるのか。

つまり、火はどれだけ小さくなったかを把握しておくことが必要です。


不潔恐怖・洗浄脅迫の人にとって、手を洗う時間が短くなったとか、

ドアノブは触れるけど、床はまだ触れない、という場合、

火は小さく放っていますが、まだ燃えています。


しっかり火を消すまでは、また火の勢いが強くなることは、

想像に難くありません。


大切な事は、エクスポージャーを火が消えるまで

しっかり浴びせること。

儀式妨害を徹底することなどです。


火事が起こった時に消火する際、ある程度火の勢いが

弱まったからと言って、消火する勢いも弱める事

はしないはずです。


火が消え去るまで、しっかりと水や消火剤を

浴びせ続ける必要があります。


手を抜けば、再燃はしやすくなります。

確かにERPは辛い治療方法ですし、ある程度頑張ったなら、

少しくらい手を抜こう、少しくらい自分を楽にしてもいいんじゃないか?

という思いがよぎるかもしれませんが、

再燃した場合に、また大きな炎と戦わなければならないのは、

自分自身なのです。


・再発したら即対処


OCDの再発に対する対処は、どのような治療を行っていたかで

違ってきます。


薬物療法を行っていた場合、同じように薬で、

再発を予防し、対処する方法があります。


SSRIや選択的セロトニン再取り込み阻害薬などは、

火事を起こしにくいよう、素材を耐火性のものに

加工しておくようなものです。


うっかり強迫行為を行ってしまうような、「ぼや」をおこしても、

一気に大きな火事に燃え広がりにくくなります。

再発しやすい傾向のある人は、薬を続ける事が

効果的な予防・対処方法です。


ERPのみで治療を行った人は、同じようにERPで

改善を試みる事になります。


強迫観念が少しでも浮かんだら自分が治療したERPで、

儀式行為を起こさないようにしましょう。

そのようにして、強迫観念を撃退します。


もし、ERP治療を行ったのがずいぶん前で、

具体的な方法や、大切なポイントを忘れているなら、

インターネット調べてもいいですし、お世話になった

専門家のアドバイスを仰いでもいいでしょう。


OCDの再発はなによりも、すぐに対処することが大切です。



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