お盆参り | 鶯梅院 住職のブログ

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◆ お盆とは ◆
日本では、魂があちらの世界から帰ってくる、と言われる日がいくつかあります。

お盆はその最大のもの。
元々は旧暦7月13日〜15日がメインの行事でした。明治政府成立以後、グレゴリオ暦で年中行事を行うように通達が出されましたが、それに従った地域は7月にお盆が行われます。岡山はお盆は8月。お盆を新暦で行う事に違和感を感じた方々は多かったようで、日本の多くの地域では、旧暦に近い月遅れでお盆を行います。

 月遅れにいたしましても、もとの暦からずれてます。
ご先祖さまが本来帰ってくる日と違うはずなのですが、日本のかなりの地域で意識が
「ご先祖さまウェルカム」
になってるせいか、この時期は、不思議な話をちょこちょこ聞きますし、お寺でもこの世ならぬ方の雰囲気を感じる事もございます。

 先日あるお宅にお盆参りにうかがいますと、バタバタしてらっしゃったので理由をうかがいますと、
「さっき幽霊が出た」
との事。
ビックリしました。でも最終的には「やっぱりお盆だからねぇ」「帰ってきたのかな」という話になりました。

 何かアットホームな雰囲気が漂うのがこのお盆の時期。この世とあの世の違いはあれども、家族の団欒の一つの形だからでしょうか。

 本当に皆さまお帰りなさいませ。どうぞごゆっくり、です。

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◆盂蘭盆会 合同供養◆
 鶯梅院では、
12日〜15日の朝6時〜
16日の.12時〜13時
盂蘭盆会合同供養法要を行ないました。

それぞれの日に、沢山の方のお参りをいただき、多くの「祈りの力」をいただきました!
皆さまの祈りが、ご先祖様方のみではなく、鶯梅院に参拝されます皆さま方、第二次大戦での物故者の皆さま、東北大震災・熊本地震での物故者の皆さま方に力を与えてくださったと思います。

人の心は無意識のうちでは全てつながっています。
仏陀を思えば仏陀と。
キリストを思えばキリストと。
弘法大師を思えば弘法大師と。
たとえわずかでもつながっていると思います。
そういった意味では「同行二人」は弘法大師の専売特許ではありません。

物故されたご家族や先祖、戦没者や被災者に心を向ける時、慈しみの想いを向ける時、その想いは確実に相手に届いている事でしょう。

慈しみ・愛情は人を救う最大の力です。
この度の祈りが、少しでも多くのいのちの助けになりますように。

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◆棚経について◆
7月後半から8月16日までかかりましたが、無事にお盆のお参りを終える事が出来ました。お世話になりました皆様ありがとうございました。

 祈りとは何かと申しますと、せんじつめると他者の幸せを祈る事です。お盆のお勤めは約5分ほどですが、何件も何件も繰り返すため非常に消耗します。朦朧とする意識の中で祈る事もありました。
 しかしながら、各お宅で繰り返し繰り返し、他者の幸せを祈り続けていると、心が理性から感情にシフトし、良き方向に導かれていきます。短い「慈悲の瞑想」を繰り返し行っているようなものです。
 
自力で智慧を求める世界から、仏の慈悲のありがたさに浸る世界に動いていきます。
結局我々僧侶が日々に為す事は、仏陀の慈悲の心を想い・感じ・こい願う事。
仏陀の慈悲を伝えるべく祈る事なのだ、と思います。

 独り籠って瞑想に打ち込むのみではなく、祈りを通じて仏や他者と関わり、そのお心をいただく事の大切さを改めて実感する期間になりました。
棚経にお伺いした一軒一軒のお宅の本尊さまや祖霊から、たくさんのお力をいただきました。大変にありがたく思います。

あらためて、この世とあの世の皆さまの幸福が少しでも増します事をお祈りさせていただきます。

◆お盆あれこれ◆
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◯お盆の時にご先祖様お供えする、霊供膳。
各ご家庭で色々な形でお供えされています。こういった作法には、色々な伝承がありますんで一概にこれが正しいやり方です!っていうのはありません。
お参りしながら、各ご家庭のを拝見してますと、様々なやり方をされていて、興味深いです。
一番大変そうでしたのは、ご位牌一つにつき、お膳を一つ用意されていたお宅。霊供膳が5つ、しかも朝昼晩と1日3回作られるそうで・・。本当に大変です。
しかしながら、手をかけ、気持ちを込めた分だけ、ご先祖さまもお喜びになり、しっかりお守り下さる事でしょう。
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◯お参りしている最中、檀家さんと、「自力と他力」の話になりました。
「絶対他力の法門はおかしいし、納得出来ない。阿弥陀さんが助けてくれるから、なんでも良いってのはいかんだろう」
と言われていましたので
「でも、本当に人生に疲れ切った時に、すでにあなたは救われている、と聞くのは本当に心洗われるものです。教えにふれるタイミングだと思いますが、阿弥陀さんの教えは、本当に心に染み渡るものですよ」
みたいな話をしてました。

私も若い頃は真言宗や禅の典籍ばっかり読んでて、他力の法門、あなたはすでに救われてる、すでにハッピーなんだ、って言葉には目もくれませんでしたが、最近そういう言葉がスッと入ってくるようになりました。

色々な意味で年齢を重ねたのだな、と感じます。

◯今年のお盆は阿弥陀さんと、なにかと関わりが強くなりました。
縁あって、仏壇の阿弥陀さんを拝んでますと、バン!とものすごく広く懐の深い、情け深い方の感覚が。「これがもしかしたら、阿弥陀如来さまなのかな」と思いつつ、祈りました。
ビックリしたのが、阿弥陀さんらしき感覚が、知人にソックリだった事。知人は阿弥陀様に仕えています。
長年仕えてたら似てくるのか、あるいは阿弥陀さんが似た人を側においてるのか。不思議でした。