乱反射(★★★★☆)/スノーフレーク(★☆☆☆☆) | OKINAWA MOVIE LIFE

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沖縄在住の映画ファンの感想文です。

2011/8/15鑑賞

@桜坂劇場


 女優の桐谷美怜をフューチャーした谷口正晃監督作品。『乱反射』と『スノーフレーク』の2本からなる。


乱反射 ★★★★
 後述するスノーフレークがあまりにもひどすぎて印象が悪くなっているわけだが・・・。
 少なくともこれは誤魔化し切れていたと思います。8ミリを用いた演出は多少手あかがついた表現ではあるけれど・・・。
 田舎道、ローカル線、バス停、旅館など、「真夏の思い出」を演出するに最適なロケーションだと感じた。
 ストーリーとしても、
①短歌というマイナーな趣味を持つ女の子が失恋をきっかけに「自分には他者がいないこと」を知り、短歌が読めなくなる
という「これから埋められるだろう欠如」がうまい具合に示された導入。
 高島礼子演じる母から諫められるシーンが、プロットポイントⅠ
②幼馴染のコーちゃんとのロードムービー
 では彼女がコーちゃんの人柄に触れ初めて「他者」の存在を意識する。
 また、その際のお手本となるべき人物として現れるコーちゃんのおばあさんなど、
 コーちゃんのおばあさんが再婚を断るところがプロットポイントⅡ。
 ここで、主人公の初恋にビターな結末が待っていることを予感させる。
③そして、彼女が告白をするも直前で止められ、失恋したまま旅を終えようとするところ。
 ラストは彼女の親友イズミに背を押されコーちゃんのもとへ駆けつけていくところで終わる。
 あくまで予感で終え、成就するかしないかははどうでもよくなる爽快感のあるエンディングだった。

 不満としては、酔っぱらった際の演技がまだ桐谷美鈴はフリ幅が小さいところ
 親が離婚しているという設定が余計に感じたところ、など。

 少なくとも、ここで観終わっていれば青春映画として期待の監督作品で済ませるはずだった。


スノーフレーク ★

 どうしてこうなった・・・。
 乱反射でも目についた、バストアップの切り返しの多用。「乱反射」はまだ他にもテクニックを用いていたので小津オマージュと取られかねないところもあった。
 けれども、これを観て気づいた。ああ、単純に何も考えていないだけだ。
「乱反射」ではまだまだ伸びしろがありそうに思えた役者陣の演技も、えっ、って思うくらいひどい。
 これ、演出も何もしてないんじゃないか?
 青山ハルは確かに共演作『君に届け』でもひどかったけどさ・・・。

 まずね、桐山美鈴という方はすでにメジャー作『君に届け』で胡桃沢梅という磁力の強いキャラクターを演じている。
 そのため、その呪縛をふりほどくのに一生懸命なところで、だからこんなに外見的に近しいキャラクターを設定してはいけない。

 あと、これ典型的な駄目ミステリー。
 解決が向こうからやってくるタイプ。
 犯人があとからどんどん自分でしゃべるのやめようよ。
 主人公が真相に気づく原因が犯人のポカってのも興ざめだし。
 あと、、実は犯人は誰も殺していなかったんだー、ってところ。あそこ絶対おかしいと思うんだけど。
 演出、ギャグ?

 最初にユーマくんが登場する時さ、このシーンは「スノーフレーク」中最も美しい映像を魅せるシーンなのだけれども、最初観た時演出のせいもあって夢の中の出来事だと思った。
 そして、そういう演出をする意味をまったく感じない!

 あとさ、イシちゃんのことを主人公が知らなかったのってありえなくね?
 イシちゃんがいじめられている時にはやくんがパンを差し出すけれど、ここ、どう見ても対等に見ているようには思えないのね。
 これはデリカシー欠ける演出だと思う。

 何ていうか全体を通して演出が安っぽくて、早く帰った夕方にテレビをつけるとやってる低予算ドラマの再放送みたい。
 いや、そういうの結構好きなんだけどさ。。。。

 終盤のユーマくんの演技、すごかったですねー・『ライフ』の細田よしひこ君の演技に近いものがありました。

 これさ、基本的にみんななんか棒読みで、主人公の親友のコ、あの子が一番ひどかった。
 二人が話しているところを少し離して撮るところなんか、なんかこの離し具合がすごく貧乏くさいというか、自主制作的というか映画の中で映画を撮る時のカメラの離し方を連想させるアレで、俺絶対この離し最後はすごいメタ的な展開になるんじゃないかと身がまえたもん。

 あとは、全体を通して主人公の動機付けが薄いので退屈する。

 ロケーションの良さだけは認めざるを得ない。

 ただ、観ていた時は相当苦痛だったのだけれども、なぜか忘れることのできない作品。