若い感性は素晴らしい01~「障害と命」を考える~ | のめしこき日記

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 保育士養成課程の2年生の授業です。15回のうちの5回を障害児者と命について学生に考えてもらいました。これが結構真面目に考えてくれて、教員としてはうれしい限りです(自画自賛)。

 1回目:相模原障害者施設殺人事件を題材に犯人の思考「障害者は生きていても仕方ない。無価値だ」の意見に対し、あなたの賛否は?

 2回目:「神聖な義務」を読んで、「第1子が血友病だった場合第2子を産むのは慎むべきだ」の意見に対し、あなたの賛否は?

 3回目:出生前診断で「妊婦の血液からダウン症など胎児の染色体異常を調べる新出生前診断について、診断した病院グループは27日、昨年4月の開始からの1年間に7740人が利用し、「陽性」と判定された142人の妊婦のうち、羊水検査などで異常が確定したのは113人だったと発表した。このうち97%にあたる110人が人工妊娠中絶をしていた。」(日本経済新聞:2014.06.27)事実を読んで、「胎児が障害をもつとわかったら中絶するのは仕方ない」という意見に対し、あなたの賛否は?

 4回目:将来を悲観し障害児を殺した母親を執行猶予にした判決は妥当であるか、軽すぎるか?

 

 それぞれの課題に対し、授業は次の様に進めました。

①自分の立場(賛否)をはっきりさせて、意見を述べる。

②賛否に分かれて意見を発表してもらう。

③自分とは反対の意見を特に参考にして自分の意見をまとめ直す。

 

 そして、毎回必ず、どの意見が合っていてどの意見が間違っていることはない、ことを伝えました。

 結果は、

 1回目授業:全員が否定的見解でした。

 2回目授業:賛否ほぼ半々。

 3回目授業:「仕方ない」と思う学生が6割程度。

 4回目授業:「執行猶予は軽すぎる」と思う学生が6割程度。

 

 この授業では、各回ごとに考えてもらうのに加えて、4回の授業を通して、自分の意見を振り返ることにありました。

 

 2~4回目の授業では、「障害者の命」と「社会や親」の立場が対立する内容になっています。ですから、40人の受講者は

〇一貫して「障害者の命」を重く見る学生は3人。

〇一貫して「社会や親」を重く見る学生も3人。

〇34人は課題ごとに意見が揺れました。

 

 5回目の授業はまとめとして【「障害があると不幸だ」という考えがあります。この考えが大勢を締めると、障害児者が生きづらい世の中になるように思いますが、いかがでしょう?】という私から学生に対する問いかけでした。2~4回目の授業で「障害があるとその子が不幸だから・・・」という意見がいくらかあったので、問いかけてみました。もちろん、どう思おうと自由だという前置きをしました。

 次回から4回、自分としては面白かった学生の感想文を載せます(もちろん許可は取ってありますよ)。