11時間ボウリング48ゲーム料金払わず逮捕
943球で料金2万4500円也
ボウリング場で約11時間、48ゲームを1人で投げ続けた末、
料金を払わなかったとして埼玉県警狭山署は27日、
詐欺の現行犯で無職・中津忠容疑者(60)を逮捕した。
同容疑者は半日間ぶっ続けで投球しながらも、スコアは平均130以上をキープ。
あまりのタフネスぶりに被害者のボウリング場や捜査関係者からは
「すごい腕力だ」「いやいや、余程いいフォームをしているのでは」などと
感嘆の声が上がっている。
“気迫の投球”にコンピューターが先にギブアップした。
中津容疑者は午前11時40分ごろ「新狭山グランドボウル」でゲーム開始。
1日の半分を費やし、48ゲーム目を投げ抜いたところで
コンピューターのメモリーが限界に達して強制終了。時計は午後11時近くを指していた。
だが、ゲーム後、代金2万4500円を払わず「知り合いが払う」「彼女が…」の一点張り。
結局、閉店の午前2時に「はなから払う気なんてねえよ」と開き直ったため、従業員が110番通報した。
ボウリング場によると中津容疑者は間隔もあけず、一心不乱に投げ続け48回を“完投”。
球数は943だった。スコアは平均133をマークしで、
1ゲーム目から121、127、147…と続き最後の48ゲーム目でも124。
スコアシートの最後には「合計得点6392」と途方もない数字が印刷されていた。
また驚くことにハイスコアの187を44ゲーム目に記録。実はスロースターターだった。
プレースタイルは球に横回転をかけず、ヘッド ピンを狙い真っすぐ投げる“直球派”。
22ゲーム目には5連続スペアの後にダブル(2連続ストライク)も記録するなど安定性も抜群。
ボウリング場の責任者の男性(41)は「余程いいフォームをしているんでしょう。
10年働いてきて前代未聞の人。金さえ払ってくれたら表彰してもいい」と舌を巻いた。
捜査関係者も「とんでもない腕力と体力。パワフルなじいさんだ」と脱帽した。
ゴマ塩頭に、約165センチの「外見は普通のじいさん」(同関係者)の中津容疑者。
定職と家族はなくアルバイト生活だった。だが、荷物の運び出しなど体を資本とした仕事が多く、
同関係者は「それがパワー源になった可能性がある」と分析する。
これまでも10、20ゲームをノンストップで投げたことがあるといい、
調べに対し「思う存分にボウリングがしたかった」と供述しているという。
男性も「終わった後もケロリとしていた。
コンピューターが止まらなければ60ゲームぐらいやったかも」と警戒していた。