今年の奉納舞踏は雨の舞だった。
火之御子社大祭の神事が終わり神殿前の敷地にブルーシートを敷き、いつものようにナオライが始まる。
タカハシ一座以外にも多数の参加者がいて今年はにぎやかなお祭り模様。
多数の女性が丸く円陣を組み盆踊りのような原始的な舞やギター、ジャンベの音・・・・
宮司さん達も女性に囲まれて嬉しそうだ。
これこそナオライ!って感じ。
宴も落ち着いた頃にポツリポツリときはじめた・・・・・
そこそこ皆、ほろ酔い加減。
ボチボチ撤収しはじめ、私達は昼ごはんを食べに山口屋さんへ。
今年の戸隠の夏は例年と様相が違うらしい。
毎日、夕方になったらバケツをひっくり返したような雨が降るとか。
毎日がゲリラ豪雨って(笑)
そう言えば前日戸隠入りした夜もゲリラ豪雨があった。
ナオライが終わった後もバシャーーーンとバケツをひっくり返したような恐ろしいほどの雨が降ったかと思えば、少し小止みになりまた降るを繰り返す。
これってできるのか???と少し不安になったが、いずれにしても観客は神様。
関係ないか・・・・やるっきゃーないでしょう。。。。って心を切り替えた。
で、とりあえず雨の中でもできることをやり始めた。
皆、泥だらけびしゃびしゃになりながら用意がはじまった。
雨で地面はドロドロなのでいつものようにはいかない。
できる事は限られる。そんな中で作られた舞台。
アラン達演奏者は屋根のある境内の上で・・・・
どしゃぶり・・・開演時間。
宮司さんがわざわざ来てくれて祝詞を上げてくれた。
そして奉納「神殿舞踏その壱参 無縁の風」が始まった。
音が流れタカハシ氏とカネモリが出てった・・・・
私とホッシは裏で出待ち・・・・薄着で外だから超寒い。
カラダは濡れていて足も素足だし・・・・地面が冷たい・・・足も手も凍えた。
ホッシと二人で小さいタオルの上に乗っかり「タオルって温かいね~」なんて笑いながら待ってた。
私は一昨年までは撮影舞台として裏方に徹していたが昨年の水の呪術から一緒に踊るようになった。
一昨年までのホッシーは本番が始まる前から、ぶっ飛び正気を失っている状態で舞踏中乱入と言う形で参加していたのだ。
しかし私が一緒に踊るようになり・・・・・ホッシは正気を失わないようになった。
私のせいかどうかは知らないが、とりあえずホッシが正気のまま出待ち状態の裏で私を気遣ってくれるのがとってもリラックスできるのだ。
10年近く一緒に踊っているメンバーと共有する場は心から安心して自分のエネルギーに乗る事ができる。
なので舞踏前に緊張をする事はないが、それでもホッシと普通に会話できると気分が落ち着いて自分に集中できる。
出る時間になりホッシが言う
「私あっちから出る?」って言った・・・ビツクリ∑(゚Д゚)・・・・
今までなら考えられないような言葉である。
「雨で地面がズルズルで危ないから一緒に出よ」と私。
ホッシは欄干から・・・・私は下から神殿の正面に向かった。
そこからはいっきに意識は飛んだ。
いつもは準備運動でストレッチや声出し、咳だしをするのだが、雨でバタバタの状態だったので何もしなかった。
身体がくぐもった状態でいっきにぶっ飛んだので・・・・なんだか集中の場所がいつもと違う感じがあった・・・・
それでも意識が変性すると寒さも全く感じないし雨が降っている事もわからなかった。
意識ってほんと不思議です。
雨でも晴れでも関係ないんだ。。。。。人さえいれば舞台はできる。
私は目が悪いので踊っている時は何も見えない。
後で聞いたら見に来てくれていた人が結構いたそうだ。
どしゃぶりの寒い中、ドロドロの地面に立ったまま・・・・・見ていてくれた。
ほんとありがたい。
神殿舞踏の一番初めは伊豆の大室山の麓だった。
観客は関係者と神様。
そして二回目は伊豆の海沿いにあるお寺の駐車場・・・・・発電機が壊れて本番中のライトはスタッフが照らす懐中電灯のみ。
観客は伊豆に住むタカハシ氏の友人一家と桜の木と神様のみ・・・・・
それから10年弱の時が流れた。
神様以外にも見てくる人が増えた。
なんでも続けないと判らないもんだな~と。
私はこの10年で人や場所や物事と、どう接していくことがイノチを生きる事なのかを学んだ。
神様の前で踊るという事で一番大切な事。
それはたぶん
謙虚さ
なんだろうと思う。
生きる事に謙虚である事
自分の愚かさや小ささを知れば謙虚にならざるおえない。
そうすれば自分の周りの人や場所や物事に感謝が湧き出てくる。
謙虚であれば感謝の気持ちが自然に湧き出るもんなんだな~なんて事を知ったのです。
感謝はするものではないんだ~って・・・・
まだまだ謙虚になれないが・・・・
それでもその瞬間を知っているだけで、そこに戻れるという安心感はある。
呼吸にノル
エネルギーにノル
そうやって私は生きていく。
今年も皆様ホントにありがとうございました!