池田晶子さんの最後の手記「絶縁状」を何回も読んだ。
ここに転載しようかと思ったが、わざわざ特別付録という形で公表しているものなのだから、そうしないほうがいいのかと考える。
先回も記載したが、この手記「絶縁状」は自分のガンに対して決別宣言をしたものだった。
自分の身体を蝕むガンを擬人化し「がん細胞ザルコーマ・グロブリ」とそのがん意識へという副題がついている。
池田さんはこのがんと15年もの長い間つきあってきたらしい。
再発は8回。
計算すると、池田さんが本を出し始めた頃にがんが発症し、結婚されたのも多分その頃。
絶縁状には自分の中にあるガンに対して決別をしている。
「~このたび、私はあたなに決別することを宣言します~」
そして最後の行には
「私はこれから健康の道を行きます。では、本日より、永久にさよなら」
と書かれていた。
これを何度も読み思った。
池田さんは自分自身に決別したのだと。
自分にさようならを言ったのである。
15年もの長い間の闘病生活、戦い続けた日々。
もうエネルギーはなかったであろう。
彼女はガンと戦うということで、エネルギーを得て文章を書いてきたのかもしれません。
戦いの人であったと・・・・・
病気と引き換えた可能性があるということですね。
ガンでなかったら、あの文章は書けなかったでしょう。
そしてもう書くことがなくなった。満足したのかもしれません。
この方法を使うのはやはり女性だったからでしょうね。
しかし15年もすごいパワーです。
やはり私は今でも池田さんをリスペクトしてしまうのですね。