小川軒レイズンウィッチ。北海道土産のマルセイバターサンドが開発のヒントにしたというレーズンサンドクッキーの元祖。
俺は代表的な東京土産の一つとさせてもらっている。
東京以外の方で、この小川軒RAISIN WICHを土産に食べたという方もかなりいるのでは?

しかし、この小川軒のレーズンウィッチは代官山、目黒(新橋)、御茶ノ水、鎌倉の4種類もあるのをご存知の人は少ないようだ。
なぜ、四種類もの小川軒のレーズンウィッチがあるのかを知るには小川軒の歴史を知る必要がある。

 

御茶ノ水小川軒HP「小川軒の101年の歴史」より抜粋、転載

初代、小川鉄五郎が洋風レストラン「小川軒」を汐留に明治38年(1905)鉄五郎28オのときに開店する。
開業2年後明治40年(1907)汐留から新橋に移転する。
昭和に入り、2女7男の次男の順(明治41年生・1908)が、大正12年海城中学5年生だった長男晴治の突然の死により、早稲田中学在学
で建築家志望を断念して家業を継ぐ事になる。
戦争に入ると約10年間戦地との行来になり、その間留守の店を守ったのは妻の美枝子と鉄五郎、順の姉であった。
戦後、戦地から戻った順は店の再建を始める、それを、妻の美枝子、末弟の斌が助けた。
東京オリンピックの時、新橋から渋谷代官山に移った。
将来のレストラン業を見据えて早くから物販業である"洋菓子"に力をいれ、フランスの郷土菓子からヒントをえた"レーズンウイッチ
"はサンドウィッチから名前の転用であり、順の機知にとんだ才能を物語る名品となった。(しかしこれも、発案してから製品となる
まで15年以上時がかかった。)
代官山に移って8年後昭和48年、順(65オ)は持病の心臓がもとで急死した。
小川順亡きあと息子3人が、長男・忠貞は代官山小川軒(レストラン)、次男・摩樹夫は目黒小川軒(洋菓子)、三男・洋は御茶ノ水
小川軒(レストラン)で各人の個性を活かし、順の遺志を継いで現在に至っている。


要約すると、長男が「代官山小川軒」(レストラン)、次男は「目黒・新橋小川軒」(洋菓子)、三男「御茶ノ水小川軒」(レストラン)、親戚は「鎌倉小川軒」(洋菓子)ということになる。
系図的な直系でいうと代官山が本家ということになるのかな。面白いのは新橋と目黒店は同じということ。鎌倉は親戚だったんですね。




そこで、直系(長男)の代官山、次男の目黒、親戚の鎌倉と食べ比べてみました(笑)。
いきなりの違いは商品名。
代官山レイズンウィッチ(10個入り1050円) 製造者:小川食品㈱ 東京都渋谷区代官山町10-13


目黒  レイズンウィッチ(10個入り1050円) 製造者:㈱巴裡 東京都目黒区目黒本町2-6-14


鎌倉  レーズンウィッチ(10個入り1050円) 製造者:㈲ケイワン 横浜市戸塚区戸塚町2773


つまりは商品名で鎌倉は他の小川軒とは違うものだと主張しているよう。
そして、商品そのものも鎌倉は他の2品とは一目で違いがわかる。代官山と目黒はクッキー表面にバターの焼きのテリが見られるが、鎌倉は生地そのものの淡い焼き色。



味も違いは明らか。代官山と目黒はクッキー感が強く、鎌倉はサブレっぽい味わい。クリームやレーズンはどちらも近いものがある。
よく代官山がしっとりしているとか、御茶ノ水がシンナリやわらかいとかいう人がいますが、それは製造日からの時間がそうさせているだけで、店の個性ではありません。
製造日すぐだとどの店のもサクサクしているし、3日ほど経つとクリームの脂分やレーズンの水分がクッキー地に沁み込むのでシットリとしてくる。

しかし鎌倉小川軒は出来立てのサクサク感を売りにしているようで、商品の注意書きにも、「サクサク感を大切にしている」と書いてある。確かに鎌倉小川軒のレーズンウィッチは製造日に近いほうが美味しかった。
俺は製造日から時間が過ぎたしっとりレイズンウィッチが好み。番長はこれを熟成が進むという(笑)。

シットリとしたレーズンサンドが好みなら代官山、目黒、御茶ノ水。サクサク感が好みなら鎌倉がお薦めです。
どの店が美味しいなんて論ずるのが無意味なくらいに美味しいRAISIN WICHは、小川順氏の偉大な産物ということなのでしょう!
自分の好みで決めましょう(笑)。

帰省土産にいかがかな?目黒(新橋)と鎌倉小川軒は洋菓子専門店なのでいつでも購入できます。


各、小川軒のHPはこちら↓各店オンラインショッピングできます。
目黒小川軒
御茶ノ水小川軒
鎌倉小川軒
代官山小川軒のHPはありません。 そう意味では代官山小川軒のレイズンウィッチは希少かもね(笑)。



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小川軒 目黒店

住所:東京都目黒区目黒本町2-6-14
電話:075-441-0105
営業時間:9:30~18:00 (土~17:00) 日曜・祝日定休