それから程なくして、仕事から帰ったマリーは、居間で父と医師が話しているのを聞きます。


「……もう隠しておけない」


( ̄○ ̄*) ……!


反射的にドアの陰に隠れるマリー。でもすぐにお父さんに見つかり、中に入るよう言われます。


( ̄ー ̄;) ……先生から、お前の病気について説明がある。

(* ̄○ ̄) 出かけるからイヤ。

( ̄○ ̄;) 後にしろ。


不承不承中に入ると、窓辺には車椅子に座ったお母さん。それより近くには主治医のラーセン先生がいて、慎重な口ぶりで切り出します。


( ̄○ ̄) ……病気のせいで、君の体に異変が起きているはずだ。


左乳房の上の異様な毛を見せたから、お父さんが先生に相談した様子。ラーセン先生は注意深く言葉を選びながら続けます。


( ̄○ ̄) 君の体はどんどん変わっていき、体中が毛深くなるだろう。

( ̄○ ̄) 感情面でも気が短くなり、攻撃的になる。だから薬を飲んだ方がいい。


戸口に立ったまま、ラーセン先生の説明を眉をひそめて聞くマリー。先生はマリーが診察鞄から母の診察記録や謎の遺体写真を抜き取ったことに気づいているようですが、あえてそれには触れず、出来るだけショックを与えないように話しています。


(; ̄○ ̄) ……薬は飲まない。


完全に理解できていないなりに書類から「お母さんの病気」について知り、どうやら自分にも遺伝してると分かったマリーは拒絶します。視線の先には母がいる。自分で立って歩いたり、喋ったりできないお母さんが…………


( ̄ー ̄)v- 薬を飲めば、いずれ母のようになる。19歳の娘さんには、いろいろ考える前に激しい拒否反応が出るだろう。


( ̄○ ̄;) ちゃんと聞け。

(; ̄□ ̄) イヤ。



押しとどめようとするお父さんを振り払い、家を飛び出すマリー。彼女は荒涼とした岬のはずれ、錆びついて放置された廃船に足を運びます。