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カウンターで袋からガッと1本取り出し、


( ゜Д ゜)⊃□ コレだけ観られなかったんで、借り直していいですか?


とかまして参りました。


今度は初代作

『悪魔の棲む家』
(原題:THE AMITYVILLE HORROR)


前回のリメイクも悪くなかったですが、何か物足りない。
子供の頃に感じた不可解さを我に再び!


物語はリメイクとほぼ同じ。かつて息子による一家惨殺事件があった家を買ったラッツ一家が、忌まわしい出来事の連打の果てに決死の脱出を果たすお話です。


( ̄- ̄)v- 初代作は1979年、リメイクは2005年作。
見比べてみると、恐怖の表し方がずいぶん違います。


リメイクとは微妙に登場人物の名前(ラッツ家の子供たちや神父さん)が違い、先の一家惨殺事件についてはディフェオ家のデの字も出てきません。


( ̄- ̄)v- 後に仕入れた知識は本当に“後付け”だったのね・・・


冒頭はディフェオ家長男ロニーによる一家惨殺。雷雨の深夜3:15にただ淡々と、眠る家族を射殺する場面から。


( ̄- ̄)v- 雷鳴と銃声が、ダブル効果でジャブをかまします。
メインメニュー画面も、愛らしいハミングのテーマ曲に合わせてバンバンバン。これはまた憎い配慮を・・・


音楽がいいですね。
メインの主旋律を、何通りかのアレンジで使い分けています。
最強のホラー映画メインテーマは『エクソシスト』のアレだと思うんですが、繰り返すメロディには催眠術にも似た効果があるような。


( ̄- ̄)v- 私のベストテーマ曲の第2位は『シャイニング』。
これもまたソウルフルな名曲です。


物語はだいたい同じですが、不気味な“家”の住民への追い込み方が、かなり回りくどくて不可解です。


リメイクではラッツ一家に集中しましたが、初代作では“家”のヤバさを知り一家を助けようとする神父さんや、夫妻の親戚にあたる修道女にも敵意を向けます。


入居したての家に祝福を与えに来た神父さんは悪魔に「出ていけ」と言われ、ハエにたかられ喉を絞められ、退散してから一家に警告しようにも、電話は雑音で邪魔され、受話器を握ればヤケドさせられる。


上位の聖職者たちに訴えても「今の世に悪魔なぞいるものか」と否定され、最後の意地でミサを開けば頭上の天使像が崩れ落ちる幻覚を見て失明し、廃人になってしまう。


( ̄- ̄)v- 神父による「悪魔に目を背けて逃げるのか?」が敗北する瞬間を、現実の天使像崩壊でなく幻として描いたのが面白い。


( ̄- ̄)v- 『エクソシスト』でも神の御業は発動されず、人間が勝ったにせよ相討ち。
偉い存在はなかなか降りてきてくれないものですな。


“家”は一番幼い末娘エミリーの前に見えない友達(ジョディ)を遣わしますが、初代作では先のディフェオ家との縁故はありません。


だから単に「前の住人の幽霊」ではなく、不気味で不可解な、「悪魔」とでも呼ぶしかないものを想起させます。
観客に分かりやすいように合理的な背景を与えると、逆に単純なお話になってしまう・・・


( ̄- ̄)v- あまり説明をしない。
意識してそうしたのか否かは分かりませんが、昔のホラー映画にはそういう作品が多かったような。


こちらでのラッツ家の追い込まれ方は、とても地味です。
再婚ゆえに家族になりきっていない事情、親戚の結婚式の費用が消える、借金して家を買ったために余裕がなくなる、仕事が傾く・・・


(; ̄- ̄)v- いや別に、悪魔の憑いてる家だからってワケじゃないんちゃう?


そう突っ込みそうになる展開の端々に、得体の知れない寒気とか、子供の手を骨折させずに思い切り挟む窓とか、末っ子と向かい合ってキーコキーコと揺れる無人の安楽椅子が出てきます。


( ̄- ̄)v- 窓の外に赤い目がチラリとか。


そんな、「家族のすれ違いと経済的困窮の方がヤバいわ! でも何か変だわこの家!」という出来事が積み重なるうちに、ラッツ家家長のジョージさんがだんだんおかしくなっていく。


( ̄- ̄)v- リメイクでは省かれた設定ですが、ジョージお父さんが何故か一家惨殺犯ロニー・ディフェオに生き写し。


いつしか血走った目でオノを振るい、薪の山を築き始めたジョージさん。
妻のキャシーは古い新聞記事を読みあさり、夫と瓜二つのロニー・ディフェオの写真を見て絶句します。


( ̄- ̄)v- ジョージさんが記憶をなくしたロニーだった、なんて事もない。なんで瓜二つでなければならなかったのか?


そして“家”の因果も、リメイクでは「悪魔崇拝者が先住民を虐殺した場所」ですが、初代作では「先住民が気の触れた者を餓死させた場所」でした。


この違いにも、制作時ゆえの理由があるんでしょうね。
若干、前者の方がパンチ力がありますから・・・


そしてクライマックス、これですよこれ。便器や壁や階段から滲み出る血やドス黒い液体。かつ、地下室の一角を壊したら中は真っ赤っか!


( ̄∀ ̄)v- 子供の頃、これがひたすらに気味悪かった!!


観直したら玄関ドアが中から大破とか、赤い石室の床がゴボァと割れて、黒いドブが溢れるぜヒャッハー! なんて、今観てもイイ場面がきっちりありました。


こちらでは家(悪魔)に魅入られたジョージさんが家族にオノを向けた後、ふっと我に返って家族を守ります。
リメイクではオノでぶっ殺してた愛犬を、初代作ではわざわざ単身で引き返して連れてくる。


( ̄- ̄)v- これで本当のパパになったというラスト。そらリメイクは訴えられますわ。


今の目線だと説明不足で、あまり怖くないかも。
でも説明が足りないのは、実はとても怖い事かもしれません。


自前の想像力で補完するしかないし、それが正しいという保証もない。これが恐怖というものでは。


( ̄- ̄)v- あまり饒舌にならない事は、見方によっては「品がある」とも言える・・・



( ̄- ̄)v- ダメやん私。