アスクル | おしゃれな文房具、かわいい文具、-もとぶんぼうぐやのブログ

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元文房具屋の私は文房具屋をやっていたころにはわからなかったネット上で発見したおしゃれな文房具やかわいい文具をブログでまとめてみました。文房具屋の経験から文房具の知識・情報も一緒にブログにしています。

文房具通販といえば一番有名なのが「アスクル」です。
ファックスやネットで注文をすれば、翌日宅急便で事務所で必要なものが届くデリバリーシステムです。

最近浸透してきたと思われるのですが、実はこの 「アスクル」は発足してもう約20年になるのです。
発足当時は我々文具・事務用品を納品していた業者は文具・事務用品があまりにも多メーカ・多品種のため通販では成功しないだろうとたかをくくっていました。
逆に「アスクル」側は直接エンドユーザーとは受注・納品業務はしますが、伝票はすべてエンドユーザに割り当てられた販売店を通すという姿勢で我々販売店を取り込んでゆきました。
ただ、薄利であったことや支払い条件が厳しかったことから資本力のない私がやっていたお店ではそんなに積極的ではありませんでした。

「アスクル」が品揃えが増えてゆき、文具・事務用品納品業者よりもサービスの質が上回った10年前ころから、
文具・事務用品納品業務で利益をいただいていたお客様が「アスクル」を使いたいという申し出をされることがが年々増えてきました。
通常の納品業務による利益で企業が回ってきていたのですが、ペーパーマージンの「アスクル」にユーザーが移行していくことにより回らなくなってゆきました。
また、「アスクル」は支払い条件が厳しいため「先払い」が増えてゆき資金繰りも厳しいものになってゆきました。

世の中もこの通販システムが当たり前になり、私がやっていたお店もいかに文房具通販システムを利用して生き残っていくかが課題になってゆきました。

一方、文房具通販業界も「たのめーる」「カウネット」とライバルが続々と参入して価格競争が激しくなりました。
また利益率の低いインク・トナーカートリッジや清涼飲料水・清掃用品の通販取引の大きな割合を占めてゆきました。
その結果としてペーパーマージンがより低下してゆき、通販システムを利用して生き残っていくのも難しくなってゆきました。

文具屋さんが店舗での小売ではホームセンターやドラッグストアやスーパーで文具・事務用品を販売されて売上げが圧迫されていったのですが、
この文房具通販業では逆に清涼飲料水・清掃用品・工具などが売上げの半分以上を占め、ホームセンターやドラッグストアやスーパーの売上げを圧迫する
という皮肉な格好になっています。

これも流通形態が物流・通信等の高度化および規制緩和などにより業種の垣根がどんどんと低くなり一元化していった結果なのかなあと思います。

今も文具・事務用品納品業で今も生き残っているところはうまくこの文房具通販システムと共存している会社だと思います。