先週、週末をはさんで、半年に1度の検診がありました。
手術からおよそ1年後の検診
造影CTの結果、再発・転移は確認されず
胸をなでおろした、素直にうれしかった、この時間をまだ続けていけるのだと思って
でもブログに書くのをためらいました。
つらい治療と向き合っている人のことを考えると、書くに書けなかったのです。
結果を知らされる直前、待合で考えていたことは、やはり治療の辛さです。
もし、再発があったら、転移があったら、治療しなければならなくなる
治療=抗がん剤、手術
治療、あれは地獄だ。
身体には毒だと分かっていて飲む抗がん剤。点滴なら流し込まれるけど、経口は恐ろしい。
ゼローダの、あの白い大きな錠剤。「わたしはクスリです」という表情をした、白い大きな錠剤。5錠を2度に分けて飲み込む。
あれを口に入れ、飲み込むのにはものすごい勇気が必要だ。わたしは恐ろしくて震えた。
夜中のナースステーションで、苦しいんだ!と訴えた。看護師さんは真剣に聞いてくれた。
それから手術
もう2度と会えないかもしれないという気持ちを飲み込みながら、家族に手を振り、手術室に向かって歩き、硬い手術台に自分で上る。
そんなことをするためには、もちろん治癒の可能性を最大限信じて戦っていく信念が必要だが、それだけではなく、どこか死を超越した、あるいは受け入れる心がないと、到底できることではない。
少なくとも私はそう思っています。
そう思っているから、かえって、現時点でそれをしなくて済む自分を申し訳なく思うのです。
でも、それでも書いているのは、そういう私が存在することが事実だからです。
がんできわめてひどい状態になり、リスクの高い手術を受けて
それでもなお、日々、自分が生きる時間に、家族の笑顔に幸せを感じることができる。
嘘や虚飾ではない、事実だから書いているのです。
病気で辛い思いをして、治療が長引いて、苦しむことがあるのも事実
一度は死にかけても、なんとか立ち直れる、豊かな時間を過ごせることがあるのも事実
だから、「辛くない」記事を読むのが辛い人がいるかもしれないけど、わたしは書けるだけは、書いていこうと思っています。