後遅くというか夕方近く、母方のおじさんから電話があった。

あのね、いまNHK教育でいい番組をやっているから見たらどう?結城さんという民俗学の学者さんが地域活性化について話している番組だよ。お前にも参考になるんじゃないかな。

早速テレビをつけてその番組を見た。

番組のタイトルは、地域ミーティング「みんなで“働く場”を作ろう~岩手・大槌町吉里吉里地区」。おじさんが話してくれたとおり、結城登美雄さんという民俗研究家が地域の住民に対して、地域再生の方法についてアドバイスするというものだった。

途中から見たので後半の林業再生の部分しか見られなかったのだが、見ていて正直、感動を覚えた。結城先生のアドバイスが非常に具体的で実効性があったからだ。都会の頭でっかちのコンサルタントが考える、いわゆる机上の学問的なものとはだいぶ違っていた。

初めは諦め顔だった地域の人たちの顔が、結城先生の話を聞くうちに、次第に明るくなり、将来に対する希望に満ちた顔になっていったのがとても印象的だった。

そしてさらに印象的だったのが、先生が最後に紹介してくれた柳田國男の次の言葉だ。

美しい村とは、はじめから美しいのではなく、そこに住む人たちが、美しい村をつくろうとして、初めて美しい村ができるのである。

まさに東北に勇気と希望を与えてくれる言葉ではないか!

いや、東北だけではない。うちの田舎でもまったく同じだ。地元の人にぜひ紹介したい言葉である。

こういう気持ちを地域の人たちが持てるためにも、結城先生の例が示しているように、具体的な方法論を住民に提示し、「よし、これならやれそうだ」という気持ちにさせなければならないだろうと思う。

この結城先生の活動について、もっと知らねば!


追記;上記引用についてさきほど調べたところ、これをそのまま柳田國男が書いたという記録は残っていないようだ。だれかが彼の言葉を自分流に解釈しなおして残された言葉のようだ。