夜の7時から始まった大隅多元塾の第一回勉強会、あっという間の3時間だったという印象がする。

まだメンバーからの反応が届いていないので結果についてはなんともいえないが、初めての試みにしては、まずまずの出来だったのではないだろうか。いや、そう思いたい。

最初の「5分間プレゼン」では、4名のメンバーがそれぞれのテーマで発表してくれた。

ある人は、人生に迷っていたときに出会った「ある言葉」について語り、また別のメンバーは友だちに誘われて訪れた素敵なカフェについて話してくれた。さらに、普段であればおそらく見ることがなかったであろう一枚のビラについて話してくれた人もいれば、健康に関するプレゼンをしてくれた人もいた。

最初ということでほとんどの人が緊張していたと言っていたが、なかなかどうして、それぞれの思いがこもった素敵なプレゼンだと思った。しかもほぼ全員が5分前後で終えることができて、時間という点から見ても、まずまずの出来だったといえる。

そして次がいよいよメインの「20歳のときに知っておきたかったこと」をテキストにしたディスカッション。メンバーの反応を見て気づいたのは、テキストで語られている内容が非常にアメリカ的で、中には理解が難しい部分もあったということだった。

でも、それは「もろ刃の剣」というものだろう。

もともと、なぜこの本をテキストとして選んだかというと、まさにその点、つまりアメリカ的な本であるからこそ、日本人とは異なる視点が学べるだろうという「計算」があってのことだ。

とにかく、この勉強会の最大のテーマは、普段の思考パターンから離れ、別の視点からものごとをとらえる訓練をするということ。つまりは、凝り固まっていそうな脳みそを刺激して、それを柔らかくするということなのだ。そのためには、別の視点、異なる視点に触れる必要がある。

いずれにせよ、アメリカ的な内容だけにちょっとついていけなかった箇所が確かにあったかもしれないが、それでもこの本が伝えるメッセージには国を超えて、文化を超えて読む者の脳みそを刺激してくれるところがたくさんあると思う。

今回扱った内容の中で重要だったのは、問題を「避けるもの」としてとらえるのではなく、あくまでも「チャンス」=「積極的に挑戦していくもの」としてとらえるという態度だ。しかも、問題は大きければ大きいほど創意工夫の可能性があり、それを克服したときの喜び、社会的なインパクトにも大きなものがある。

そのためには常識を疑い、ときにはそれを壊し、異なる視点からものごとをとらえ、創造的な方法でもって問題を克服する必要がある。

もちろん、それは「言うは易く行うは難し」だ。

どのような訓練をすれば、そのような態度あるいは能力が身に着くのか?最終的には経験でしかそれは身に着かないと思うが、その経験に至る前の段階として、学ぶことはできる。だれにでもできる。

そのお手伝いをするのが大隅多元塾の最大のミッションだといえる。

せっかく時間とお金を費やして参加してくれるメンバーのために、まずは自らが学びを深めていかねばならないと思った第一回の勉強会なのであった。

参加したみなさん、ご苦労さまでした。

また次回、一緒に学んでいきましょう。


おまけビデオ:こちらはテキストの中で紹介されている「Cirque du Soleil」というサーカスの紹介ビデオ。これまでのサーカスの常識を破ったサーカスと称されるだけのことはある。まるでブロードウェイのショーを見ているかのようだ。