パパとママ① | 西 東

パパとママ①


日本滞在中にある雑誌を新幹線の中で読んでいたら、日本のパパとママとの関連について書かれている記事がありました。

そこでハッと気付いたことは、パパとママはどういう位置づけになるのかということです。

日本の家庭でパパとママはお互いのことをパパとかママと呼び合っているケースが多いように思えますが、即ち家庭生活の中でお互いの名前ではなく、パパをパパと呼び、ママをママと呼び合うと言う事です。

「パパ、今日は息子(娘)の誕生日だから余り遅くならないで帰ってね」とか、「ママ、お茶入れてくれる」という具合に、です。


そこには性の存在が希薄です。
勿論パパは男性でママは女性ですが、パパとかママになるとそれは子供を介しての男女ということになり、お互いにとってダイレクトの男女関係ではなくなるようです。


大分昔の話しなので既に書いたこともありますが、
山本耀司氏がパリコレに参加して間もない頃、フランスのジャーナリストから出た質問に「耀司、貴方は何故パリに来たのですか」という良く聞かれる質問が出たことがありました。

でもその時の山本氏の答えは、
「日本では女性は母になると女を捨てるけど、ヨーロッパの女性は母になっても女性であることを捨てないから、女性のいるヨーロッパに来ました」との回答。

そうなんです、多くの日本人女性自身が母になると女を捨てるようなのです。
子供中心の家庭になってママに専念してしまうのです。


Yohji YamamotoにせよISSEY MIYAKEやCOMME des GARÇONSも、
日本のように何歳から何歳までを対象とする服と言うことでなく全女性に向けて発信されているし、70歳でも80歳の女性でもそれらを素敵に着こなしている女性が居るのがヨーロッパ、御三家と言えども限られた年齢層に着られていたのが日本の市場であると言えます。

そうなるとご主人も家庭の中では男を捨てなければならず、パパとしての存在にならざるを得なくなり。
そしてお互いを「パパ」と「ママ」と呼び合い、善良なパパママが出来上がってしまうのです。


まあ、不倫とか浮気とかは男と女が居る限りどこの国にもあることではありますが、日本の持つ独特なキャバレーやクラブ遊びはパパが唯一男で居られる所なのかも知れません。

お店に入った瞬間に先程まで仏頂面していた男性の顔が急に緩んで饒舌になってしまうのは、多分会社でも家庭でも見せない「別人28号」の顔なのでしょう・・・・。