訪中記③~塩編~ | タイガースマスク オフィシャルブログ 「オレ、すごくなるから」

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さて、今日は少林寺気功の忘年会だったのですが、私は試合のため出席できず。試合を終えるとため息ばかりでました。一緒に少林寺で貴重な経験をした尊敬する皆さんと、秦先生のもと一緒に学んでいる尊敬する皆さんと、そして先生と一緒にお酒が飲みたかったです。少林寺の話をしながら。。。

そんなことを考えてると、あの少林寺での日々がよみがえります。

なので、前回の続きを。

武術交流の後、特別に少林寺の食堂?で、一緒にお坊さん達と食事させてもらうことになりました。

もちろん、一般の人は立ち入ることもできない場所です。感激でした。

しかしながら少林寺では陰陽の関係で11時半から12時の間に食事をとらなければならない決まりがあるため、1時間ほど自由行動になりました。先生はというと、食堂のある建物の前でおもむろに座ると、座禅を始めてしまいました。もちろん周りは観光客だらけです。今回、日本から来た我々40何名は、半分くらいが日中国交正常化四十周年記念の武術交流のために結成された武道家達で、もう半分は全日本少林寺気功の動功指導員の試験に合格し、少林寺で館長の前で演舞することを許された秦先生の弟子達です。武道団の一員でもあり、先生の弟子でもあるのは、私を含めて三名でした。先生が座禅を始めると、その兄弟子達も次々と先生の周りで座りはじめました。日本武道団の皆さんはカメラを手にとり、バラバラと観光に出かけます。私はというと、もちろんコッソリ観光側に潜りこみました。というのも、映画で見た激しい修行で凹んだ床を、この目で見たかったからです。

実際ガッチリ凹んでました。映画では基本技の練習で凹んだように撮影されてますが、噂では、あれは少林寺の秘伝、心意把の練習で凹んだらしいです(技を盗まれないように閉めきった室内で練習した)。先生に直接聞いたわけではないですが。。

凹んだ床を見ながら、心意把ってどんなんなんやろとドキドキしてたらアッサリ食事の時間になりました。先生の元に戻るとまだ座禅中だったので、座禅の群れの一番後ろに座り、あたかもずっと一緒に座禅してたかのように振る舞ってみました。

そしてドキドキ食事タイムが始まるわけですが。。。。。




まずいッ!

否ッ

マズすぎるッ!!!

いや、まずいのではありません。


味がないのです。

まずマントウとかいう豚まんのようなものを配られたのですが、これがいけません。中身ナシなんです。そしてどこまでも固いッ!私が世界ではじめて少林寺の饅頭を食べた人間だったなら、「これは食べ物ではない」と発表したでしょう。これは冗談ですが、まずこのマントウで我々日本人サイドは凍りつきました。

さらにスープが配られます。マントウにやられて口の中の水分がゼロに限りなく近づいていた我々は色めき立ち、スープを飲みます。


!?

え?

お湯?


そうなんです。スープにも味が全くないのです。

わざと?

普段の「味」というものに慣れてしまっている者が「味」のないものを食べるとどうなると思いますか?


とてつもなく寂しくなります。

頭の中に「絶望」という二文字が思い浮かびました。

ですが、少林寺はここからです。最後に出た野菜炒めにはなんと、味付けがしてあったのです!!

あれは塩胡椒だと思います。

味のないものばかり食べたものが味のあるものを食べるとどうなると思いますか?


心の底から神様に感謝するのです。


このとき、日本人サイドのあちこちで、小さく鋭い声で「ありがとうッ」と連発していました。

普段おいしいものを特においしいとも思わず食べている我々日本人。

食の本質は、「感謝」である。

これが、私が少林寺の食堂で学んだ大切な秘伝です。


塩の大切さ。

関係ないですが、敵に塩を送った上杉謙信てすごいなあ!と思ったのでした。


続く