ーgirls side- 板野友美
ともは部屋に着くとベッドに仰向けに倒れこんで、自分の右手にある小さな箱を見上げる。
アイツってばなんでこんな大事な物忘れていくかな?
ハルが敦子のところに向かった後、ともはどこかに行く気分にはなれずに家に帰ることにした。
ホテルのロビーを出ようとハルのブルゾンをたたもうとした時、携帯が入ってたポケットの反対側のポケットにもなにかが入っているのに気づく。
出してみると、可愛くラッピングされた小さな箱だった。
これってもしかして敦子へのクリスマスプレゼント?
気付いてしまったのはいいけどハルの携帯は今、この通りともの手元にある(どちらにしても壊れてるから関係ないんだけど)
だからといって、ともから敦子に渡すのも違うと思うし。
そんなワケで、このプレゼントは現在もともの手元にあるのです。
ベッドから身体を伸ばして机の上にプレゼントを置くと、再びベッドの上に寝転がる。
なんだか疲れちゃったな……
あの後のことを考えると……
現実逃避するように目を閉じると、そのまま眠りに落ちていった。
………………………
………………
………♪
♪
♪私は制服を着たレジースターンス♪
う…う~ん…
携帯の着信音が聴こえてきて目が覚める。
そんなワケで、このプレゼントは現在もともの手元にあるのです。
ベッドから身体を伸ばして机の上にプレゼントを置くと、再びベッドの上に寝転がる。
なんだか疲れちゃったな……
あの後のことを考えると……
現実逃避するように目を閉じると、そのまま眠りに落ちていった。
………………………
………………
………♪
♪
♪私は制服を着たレジースターンス♪
う…う~ん…
携帯の着信音が聴こえてきて目が覚める。
時間を確認するとすっかり夜になっていた。
伸びをして、未だに鳴り続けている枕元の携帯を手にとって、画面に映る名前を確認する。
敦子……
伸びをして、未だに鳴り続けている枕元の携帯を手にとって、画面に映る名前を確認する。
敦子……
その名前だけで一気に現実に戻される。
すぅー…はぁ…
大きく一度深呼吸をして電話に出る。
「もしもし」
『あ、とも?いま大丈夫?』
敦子の声が弾んでいるように聴こえる。
ああ、これはきっと…
「いいよ♪どした?」
ハルとのデートだったって知ってるのに、自分からは触れられなかった。
だって…
『うん♪あのね…エヘヘ♪結論から言うとね、今日、ハルに好きって告白されちゃった♪』
ほらね?やっぱりこうなっちゃう……
「えー!良かったじゃん♪敦子おめでとう!」
ちゃんと嬉しそうにできてるかな?自信ないや。
『ありがと~♪それでね……』
その後も敦子は色々話してくれたけど、ほとんど頭の中には入って来なかった。
もう限界かも……
「ゴメン、敦子。今日とも体調悪くて、もう寝るね?」
『え?大丈夫?わかった、お大事にね!』
「うん、ありがと。それじゃあハルとお幸せにね♪おやすみー」
『エヘヘ♪おやすみー』
………
わかってたことだけどやっぱり辛いなぁ……
これから2人と普通に出来るかな?
あれ?
ともの頬に涙が伝っていた。
そのことに気付いてしまってからはダメだった。
涙が次から次へと溢れてきて、感情を抑えきれなくなる。
「イヤだ……ヤダよ…なんで?なんでこうなっちゃうの?」
その夜は泣きに泣きまくった。
泣き疲れて眠るまで泣き尽くした。
こうしてともは何もできないまま人生で初めての失恋を経験したのだった。