僕と、サリンと、ときどきツンデレ | オレたちのドキュメンタリー(仮題) 第一幕 ~僕の名前はピコです。~

僕と、サリンと、ときどきツンデレ

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晴れて美術部に入部した僕は、バイトと部活の両立でとても有意義な日々を過ごしていた・・・


元々小学生の頃から、油絵を習っていた僕は、また油絵に挑戦できるステージを得て、アーティスト街道まっしぐらだった。


また、初めて自分でお金を稼ぐという事を肌で体感するのは、とても刺激的だった・・・・


そんな夏休みも近づいてきたある日のこと、世間ではオウム真理教のサリン事件で持ち切りだった・・・


永田町の中心とした地下鉄内で劇薬が撒かれ、現在では首謀者が裁判でも話題になっている事件。


なんでも面白がっていたあの頃、僕ら教室でもその話題があがった・・・


「サリンつくろうぜ!」


僕は、スズキとふる さと に向けてそう言った。


(不謹慎であることは、承知の上で子供の発言とお許しください)


僕は、当時大好きだった、キリン『力水』のビンに、お弁当の食べ残しをいれた・・・


「こうやって培養しよう!」


高校の時はお弁当だった・・・ごはんを入れたり、誰かが食べ残した牛乳をいれたり・・・


我ながら、幼稚な悪ふざけとは思うが、そこでいくつになっても少年ということで、お許しを・・・


・・・・・何日かして、そのビンはいつまでも僕の机の左のフックに白いレジ袋にはいって放っておかれていた・・・


その存在を思い出した僕は、スズキにむかって


「これ、開けてみてよ。」


そういって、彼に差し出した・・・・


「ぴぎゃー!!!くせぇってばよ~これサリンだよ、間違いねぇ~」


そういって彼は蓋が解放されたビンをこちらに向けた・・・


身の危険を感じた僕は、思わず窓から中庭に向かってビンをぶん投げた。


ポイっ


「おめぇ~最悪だよ~」


一部始終のやりとりを見ていた、ふる さと はそう言った。


夏休み直前の、教室のやりとりでした・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


早めにバイトに入らなくていけなかった僕は、マコトと一緒に電車にのって、


バイト先へと向かった・・・


「おっ、マサト♪」


マコトはそういった電車のドア付近に立っていた男をみてそういった・・・


そこには、黒いタートルネックを学ランの下に着込んだ、つんつん頭でつっぱった男がたっていた。


彼はマコトの声に気付くと、軽く微笑んでこちらに向かって片手を挙げた。


僕もその片手の挨拶に呼応して、軽く会釈をした。


彼こそが、後に僕らに大きな混乱と爆発力をもたらしてくれるマサト♪だった。


きっと今でいうところのツンデレとはああいうことなんだろうなぁ~