オレたちのドキュメンタリー(仮題) 第一幕 ~僕の名前はピコです。~
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さよならおとん・・・

前回の続きはこちら↓

http://ameblo.jp/oredokyu/entry-10020196894.html


そう、あれは化学の授業も終わりかけた頃だった・・・


昼飯前の授業は、脳に血が回らず一人、ぼーっと窓を眺めていた。


突然、教室の入り口のドアが開き、担任の先生が入ってきた。


「M、ちょっといいか。」


突然の声に、僕はびっくりした・・と同時にふとある予感がよぎった。


『やべっ、ついにきたか』


廊下に呼び出された僕の顔を、じっと見ながら担任は重たそうに口を開く。


「お父さんが、危篤らしい。すぐに病院に向かいなさい。」


・・・!!


夏の暑い日に、療養中だった父は、40度の高熱と耳が聞こえないという症状を訴え、緊急入院していた。


病名は『脊髄がん』だった・・・


高校入試の日、父は子供達に病名を伏せ、一人肺の摘出をしていた。


僕等に心配をかけないように、彼や家族がついたウソは、『あばら骨の手術』だった。


それから、1年、肺がんで摘出したはずのがん細胞は脊髄に転移し、彼の脳を侵食していたのだった。


入院してすぐに、祖母と叔父と僕は担当医から「脊髄に転移しています、余命半年でしょう。」


と告知されていた。


祖母は泣き崩れたが、僕はただただ黙ることしかできなかった。


きっと、現実味の無いドラマのようだったと記憶している。




だから、僕は担任の先生が教室に入ってきたときに、俺だろうっと予感していた。


廊下から教室に戻り、心配そうに僕を見つめる友人達に、小声で『おつかれ』と告げると


学校から駅までの道程を早足で歩いた。


ただただ『間に合ってくれ』と心で念じながら。


駅につくと、自転車を夢中で漕いで、病院まで10分の道程を休まず走り抜けた・・・



病院では、祖父母が僕の到着を待っていた。


3階の病室まで階段を駆け上がった僕は、もう息が途切れ途切れだった。


そんな僕の心配をよそに、まったく普段通りの二人は一言僕に向かってこういった


「お昼ごはんは食べたの?」


食べるわけないでしょう!!と思ったが、『食べてないよ・・』とやっとの声を出すと


「じゃあ、パンでも買いに行こう」


と言って売店へと、誘った。


そう、危篤ではなかったのである、心配症の二人が気をきかせたのか


わざわざ学校に電話をし、孫を病院まで呼び出したのである。


『まったく、びっくりさせんなよ!』と怒り心頭だった半面、ホッと胸をなでおろした。



でもその3日後父は、意識が戻らなくなり・・・いよいよあの名台詞を聞かせられることとなる。


「今夜がヤマですね・・・」


つづく








あのビーカーを割ったのはあな~た~♪



前回の続きはこちら↓

http://ameblo.jp/oredokyu/theme-10002716419.html


夏休みはバイトに明け暮れていた。


残暑が残る2学期。


そんな9月の出来事だった。


化学の授業中のこと、確か班ごとに実験をしていた・・・


実験っていうのは、普段の授業と違って、仲間でチームになって実験を進めていく。


席順で決められたその班は、ふる さと と やっくんだった。


実験が無事終わり、後片付けをしていた時のこと。


「ガチャーン!!!」


実験で使ったビーカーが、ステンレスの流し台の中で砕け散らばっていた。


「やべっ!割っちゃった・・先生に言ってくるわ。」


そういうと僕は、後片付けを二人に任して、教壇の先生の下へ向かった。


その時二人は、こいつは随分潔いやつだなぁ~と思ったに違いない。


だが、その時僕の中でいたずら心が芽生えた。


「先生・・・すいません。」


「どうした?」


「ふる さと君がビーカーを割ってしまいました・・・今片付けています。」


「そうか、気をつけて片付けろよ。」


「はい」


そういうと僕は席まで戻っていった。


「おい、大丈夫だったか?」


二人は心配そうに、僕に言った。


「うん、大丈夫だったよ。」


そう言って、残りの片付けをすました。


授業も終わると、一人づつ、理科室から教室に戻っていく。


ふる さとと二人で教室を出ようとした時、先生はふる さとの方を見てこう言った。


「おい、ふる さと ビーカー割ったら自分で言いに来なきゃ駄目じゃないか。」 


そう言われたふる さとは僕の方を見た。


彼の顔は『ヤラれた!』という顔をしていた。


「ビーカー割ったのは俺じゃないっすよ!」


彼がそういった時先生は既に別の生徒と話をしていた。


僕は、追っかけてくる彼から逃げるように教室に走って戻っていった。


そんなやりとりをスズキと日野とやっくんが横目に見ながら、笑っていた。


後にふる さとは僕にこう言った「化学の成績が下がったのは、あのビーカー事件のせいだ」と


つづく







不法投棄

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http://ameblo.jp/oredokyu/entry-10019993057.html



徐々に卓球というものに

はまってイク俺。


そしてモチロン高校一年生

思春期ということもあり

部内での恋心・・。


そんなこともあり部活に夢中になっていった。


なんにより

部活後のコンビニでの1~2時間ほどの語り。

これが一番楽しかった。


部内のハナシ。

恋のアナシ。

ムカツク先生のハナシ。


これが毎夜の楽しみだった。



そしてクラスではというと

若干浮いた空気ではあった印象があるが

それでも楽しく過ごしていたと思う。


なかでも印象深いのがサリン作成w

当然平凡な高校生にそんなものを作る知識や

環境があるわけはない。


オリジナルのサリンである。

不謹慎なハナシだが

なにをやっても面白い世代である。


Mのもっていたビンに絵の具やら

喰い残しやらいれたのを思い出す。

なんとも言えない色をしていた。

あれはネズミ色に近いのか?

それとも緑?イヤ青か??

もう二度とあんなモノはつくれないであろう。。


どれくらい時間が流れたか記憶は

さだかではない。。


誰かが不意にビンを開けようと言った。


もちろん俺たちはノリノリになるw

ほんとにアタマの悪い話である。。


開けた瞬間のあの異臭!!


そして蓋をしめても漂うあの異臭!!


目にくるあの異臭!!


吐き気をともなうあの異臭!!


サリン顔負けかもしれない。。

まぁサリンは無臭だが・・。


そしてそれは当然のごとく

投げ捨てられていた・・。





つづく・・・

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