帰国枠入試の真実・完結編 | OBSN | アメリカで勝負を挑んでいる人たちのブログ

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2週間に一度の男、Okaです。


さて、前回は「中学受験で試験日程が合否に少なからず影響を与えている」というお話でした。高校受験でも同じ理由で影響があるとコメントしておきましたが、今回は別の角度から帰国枠の高校入試について検証してみたいと思います。


高校入試は中学入試や大学入試と異なり、帰国枠でありながら一般入試と同じ日程・同じ試験問題を使って選抜を行う学校が圧倒的多数です。理由としては、

(1)3年後に大学受験を控えているため、高校3年間の学習に耐えうる学力を持っている必要がある。

(2)一般入試にも英語が含まれているため、別日程で別の内容の試験を用意する必要性が低い。

(3)世界中の在外子女の半数は全日制日本人学校に通っているので、英語圏の現地校に通っている生徒に迎合する必要性が低い。

などが挙げられますが、何といっても(1)の理由が大きいでしょう。中学受験で受け入れた場合は大学受験まで6年間ありますから、英語が得意な小学生を受け入れて、英語力を維持させておきながら(帰国時の会話力の維持は無理でしょうけど)国数理社をじっくり伸ばしていく時間的な余裕がありますが、高校3年間で文系なら国社、理系なら数理を伸ばそうといっても簡単ではありません。大学の合格実績を売りにして生徒を募集したい高校としては、3年後の結果が出そうもない生徒は受け入れない、という構図は簡単に想像できます。


まぁ理由はどうであれ、帰国枠の高校受験では一般受験と同じ試験問題であることが多いのは事実です。ここで「それでは英語圏からの帰国生は不利ではないか」と思われるでしょうが、意外とそれがそうでもないのです。それは英語という強力な武器があるからです。手裏剣


もちろん何の準備もしていなければ、高校入試に出題されるカルトな文法問題は現地校出身者には手強いものです。現に英検1級を持っている中3生が、何の準備もしない状態で某有名大学付属高校の過去問を解いたところ、60点程度しか取れませんでした。


しかし、さすがに持っているものが違うというのも事実です。このような子でも半年で中2~高1の3ヵ年分の日本の塾用テキストを消化したところ、同じ学校の別の年度の過去問で98点という高得点をマークしました。東大への現役合格者数でベスト10に入る有名進学校の先生も「合格平均点を比較すると、帰国枠の生徒の方が高い」と言っています。何故こんなことが起きるか?それは日本の子どもたちでは、どう頑張っても難易度の高い英語の問題で満点近くを取ることができないからなのです。


ただし!他の2教科もきっちり得点しているからこその逆転現象ですからね!上記のような進学校を目指す生徒はしっかり国数の対策をやっているんですよ!英語だけで逆転現象は絶対に無理ですからね!毎回締めくくりは同じ話になってしまいますが、努力はちゃんと報われるんですよってことです。