フョードル・カラマーゾフが僧院の僧侶たちに吐いた言葉に少々驚き・・・。
なあ、方丈様がた、わしはごまかしは嫌いです、わしは真実がほしい!
しかし真実は川ぎすにはありませんぜ、これはもうわしが言明した通りですよ!
方丈様がた、どうしてあなた方は精進をしておいでなさる?
どういうわけであなた方はそれに対する報いを天国で待っておいでなさる?
ほんとうにそんな報いがもらえるようなら、わしだって精進しますよ!
なあ、お坊さん方、お寺に籠って人の金でパンを食べながら、
天上の報いを待つよりか、人生へ乗り出して徳を行うて、社会に
貢献せられたらどうですな、―しかし、この方は大分骨が折れますでなあ。
~米川正夫訳(岩波文庫版)第1巻190ページ、フョードルの言葉
一理あります。