独立する前に家を買いたいと思う。地方に一軒家を。ただ気持ちの問題ではなく、その方が合理的だと思うからである。その理由が以下の通りである。

①大企業のサラリーマンが銀行にとって最優良顧客

サラリーマン時代にローンを組んだ方がより有利な条件で借りられる。住宅ローンは本来家を担保に金を貸しているはずだが、現実は個人の返済能力しか見ていない。そして、銀行から見れば、一番貸しやすい個人顧客は大企業のサラリーマンである。その地位を持っているうちに買った方が少なくともその後で買うよりはいい条件でローンを引いてこれるだろう。

②売れば払ったお金は返ってくる

賃貸か持ち家のどっちがお得かは永遠の議論の種であるが、独立を考えると持ち家の方が良い。その理由はキャッシュの流出を抑えることである。例えば、3,000万円の家を35年ローンで借りた場合と、似たような条件で賃貸した場合との支払額はどちらも月々10万円前後だが、賃貸はいくら払っても自分のものにならない反面、持ち家は買った価格で売れた場合はローンを支払った分返ってくることになる。「いざとなったら売れる」という担保としての価値を見出すことができるのである。


では買うならどんな住宅かいいだろうか。それは、上記の条件を満たすことから考えれば答えが出てくる。

1. ローンが引きやすい住宅

①で銀行は個人に貸すと言ったが、その時住宅の条件によりローンが引きやすい住宅とそうでない住宅がある。簡単に言うと新築は全額引きやすく、リフォーム分は引きにくいということだ。リフォームローンはどうしても金利が高い。ただし、中古住宅に関する政策的な議論は最近進展を見せており、どこまで住宅ローンでできるかは今後研究したい。

2. 資産価値のある住宅

②の条件を満たすには、売ったときに十分に価値の出る家でなければならない。同時に価値のある家は住みやすい家ということになり、結局「誰が見ても良い家」を選ぶということになる。逆に資産価値がなくなってしまう家だけは買ってはいけない。

まず見なければならないのは立地である。こればかりはいくら家を頑張っても変えることはできない。交通の便や日当り、周辺の店舗など、広告を見るだけではなく実際に便利かどうか十分に検討したい。また、災害で家が壊れてしまっては元も子もないので、自治体のハザードマップなどを見て地盤や水害のリスクも頭に置いておきたい。

新築か中古かという問題もある。良い土地に新築の良い住宅を建てられれば一番いいのだが、そこは予算の問題である。似たような条件でも新築は中古より2~3割高いイメージだ。これは即ち、買った瞬間にそれだけ含み損を抱えてしまうということである。その点を考えると中古の方がいいと考える。

中古と言っても幅広い。築2~3年のものはほぼ新築と同様に住めるだろうが、なぜ2~3年で売りに出たのかをよく調べておきたい。一方1981年以前に建てられたものは新耐震基準を満たしていないため、耐震工事を含めると割高になる可能性もある。要は中古住宅の状況は千差万別ということだ。

以上を踏まえると、家を探す手順はまずいい立地の中古物件が出ていないかを探し、その家の状態に応じてどれだけリフォームすれば良いかを予算と相談して考えるということだ。そのためには現地に出向いて、焦らずじっくり物件探しをすることが必要になる。