クライアントMさんはある事業で独立するという目標があります。
そのために仕事をしながら、勉強もし、独立へ向けた人脈作りもがんばっています。
でも、必要なことと分かっていてもなかなか行動の習慣化ができないことに気がかりも感じています。
現在、その目標達成のために個人コーチングセッションを利用されています。
また、ダンナ様を送り出してから自分の出勤時間までに少し時間の余裕がある、ということも書き添えておきましょう。
(当ブログ掲載にあたってはMさんの了解を得ております)
Mさんは、ダンナ様を送り出した後の朝の時間を掃除や勉強の時間に充てたいといつも思っています。
その時間はとても貴重な自己成長タイムであるというのが、Mさんのお話からビンビンに伝わってくるのです。
9月〜10月初めまではその「朝の時間」を有効に活用できていました。
ですが10月下旬になると、
せっかく習慣化しつつあった朝時間の有効活用ができなくなってきたらしいのです。
その原因は二度寝...
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二度寝って最高にしあわせですよね
二度寝できる喜び、二度寝できる時間の余裕、う~ん
特に寒い季節は極上の時間ですよね 以上、宍戸の声でした。
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Mさんはそんな自分の状態を、
「とってもお恥ずかしいのですが、最近ぜんぜん朝の掃除や勉強ができてなくって...」
としか言わない。
何が要因か訊いても、「いやぁ...あのぉ...」と言いよどむ。
そして、意を決したようにこう切り出しました。
「二度寝しちゃうんですよね、最近。
こんなレベルの低いちっぽけなこと・・・すごく恥ずかしいんですけど。
ダメですよね~。」
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人が行動するときはなにかしらメリットを感じているから、その行動をしています。
このMさんの二度寝だって同じ。
二度寝という行動にメリットがある。
Mさん自身が「ダメですよね~」と言っているからと言って、
こちらも
「Mさん、ダメじゃん、せっかくいい感じだったのにー」とか
「二度寝ねぇ… 私もついやっちゃうけど、あとで反省しちゃうわぁ」
なんて言っちゃったら、それはただの雑談でしかない。
相手の成長を願う人なら、
親が子の成長を願うなら、
上司が部下の成長を促すなら、
先生が生徒の自覚を促すなら、
まず一緒に「その行動から得られるメリット」を見ることが大切ね。
ひらたく言えば、
「それすると何がうれしい?それするとどんなイイことある?」と訊いてみる。
真剣かつ評価を交えずニュートラルに訊いてみる。
これは、ステレオタイプの評価を一旦ヨコにどけて、
その人がどう在ることが一番「私らしい」と感じているのか、
その人の価値観を知る手掛かりにもなる。
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Mさんには、二度寝の魅力やどんな点が好きなのかをしっかり語ってもらいました。
が、
ステレオタイプの評価(この場合は「目標があるとか言ってる人間が二度寝するだなんて恥ずかしい、レベル低い、ダメだ」)というのが、
話している間にしょっちゅう顔を出してくるんです。
じゃま、じゃまー!
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こんな時に感じるのは「面白さ」
会話の中に入れ替わり立ち替わり本音と建前が現れて、
自分自身はそれに気付いていない面白さです。
間違いなく一人の人が話しているのだが、
まるで 保守派と改革派が交互に発言しているかのよう。
人間の心理の妙 ですね。
ま、私もしょっちゅうやってるし
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Mさんもそんな入れ替わり立ち替わりがありながら、
「二度寝の フッと眠りに入る瞬間が最高に気持ちイイんですよねぇ♡」と明言した。
(うんうん、すっごくよく分かるよ♡)
そして、さらに質問する。
宍戸 「そんな風に幸せを感じる二度寝でもやっぱり『やっちゃダメ』 と思う?」
Mさん 「・・・(本音と建前がギシギシせめぎ合う的な沈黙)・・・、
でも二度寝してしまうと掃除や勉強ができない自分を責めてしまうしぃ・・・」
宍戸 「二者択一感満載だね(笑)
魅力あるものは手放さずに、そして掃除も勉強もできる方法はない?」
Mさん 「...あっ!時間を決めればイイのかも!
ヘンかもしれないけど、二度寝にも目覚まし時計をセットすればイイんだ」
というナイスなアイディアが出たのです(^-^)
※「ヘンかもしれないけど」も要らんがな(^_^;) とは思ったけど
「30分だけ二度寝できるように目覚まし時計をセットしてみる」という約束をして、
爽快感が行間から溢れ出ているような感じがしませんか
後からのレスにはこう書いてありました。
「自分のルーティン☆素敵です。
いい感じで毎日にスタートが切れています。 地道に続けます!
まさか二度寝の話からこんな展開になって、
逆にやる気が湧いてくるとは思いませんでした(笑)」
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否定ではなくて、肯定してみる。
自分の行動を批判するのではなく、一旦容認したところから出てくる新しいアイディアとエネルギー
一般論やステレオタイプの価値から少し距離をおいてみたときが、
自分の中にある「自分だけの大切なもの」に気づくチャンスです。