「であ、しゅとぅるむ」展のカタログでお世話になる大山エンリコイサムさんが名古屋に来てくれました。

大山さんとは去年の夏、レビューハウス伊藤さん宅で催されたバーベキューパーティー(企画者:筒井)で会って以来、久しぶりです。

大山さんといえば、コム・デ・ギャルソンにアートワークを提供し、それがパリコレに出たり、『ユリイカ』のバンクシー特集でいとうせいこう氏と巻頭対談をしたりと、アーティストとしても、批評家としても近年活躍の目覚ましい方です。
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と言いつつ、僕は今まで大山さんの作品をあまり見たことがないし、文章もそこまでフォローしてなかったんですね。
でも今回、作品写真をみせてもらったり、話を聞かせてもらって、どんな作品を制作しているのか、またどんなことを考えているのか少し詳しくなりました。

グラフィティでもなく、アートでもないような「ストリート・アート」というものを模索しているそうです。

グラフィティから文字や装飾性を取り除いた描線を基本構造とし、それを増殖させるようなかたちで壁に描いたり、キャンヴァスに描いたり、立体を作ったり、服に描いたりすることで、それぞれのメディアの特質と葛藤しながらも、メディアを越えた展開をしています。
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グラフィティ文脈とは関係ありませんが、大山さんの作品を見て、マシュー・リッチー(Matthew Ritchie)という作家を思い出しました。基本構造が増殖していき、ペインティングから公共モニュメントへと拡がる展開をしています。しかも相当な理論家。
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マシュー・リッチー



大山さんと街を歩いていると、さまざまな発見があります。大山さんは、僕なら普段見過ごしてしまうような街中のグラフィティや変わったものに対する探知能力が高く、またそれが何かを知っています。
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大山さんと名古屋市美術館の「ポジション 2012」展を見に行きました。
この展覧会には「であ、しゅとぅるむ」展の作家でもある坂本夏子さんと文谷有佳里さんが出展しています。

ちょうど文谷さんが滞在制作中でした。といっても毎日滞在制作をしているそうです。http://bun12posi.exblog.jp/

文谷さんの展示についての感想ノートには何と浅田彰のコメントが書かれていました!


美術館閉館後、滞在制作を終えた文谷さんも同行し、三人でお茶しました。
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文谷さんと大山さんが線について話し合っています。
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文谷さんは「ポジション」展で柱にも描いていましたが、文谷さんの線もメディアを越える可能性のある線だと思います。


「であ、しゅとぅるむ」展作家の坂本さんと遠藤俊治さんも合流し、さらにあいちトリエンナーレ・キュレーターの拝戸さんや飯田志保子さんと一緒に韓国料理を食べました。
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とてもチジミの美味しいお店でした。

遠藤さんもメディアを越えるいい笑顔です。
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またぜひ来たいですね。



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