藤岡奈穂子×川西友子、7月7日・後楽園ホール | おおおかのボクシングBLOG

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日本女子ボクシング界のトップである藤岡奈穂子。
山口直子戦という無理やりすぎる増量をこなして王座挑戦し、二階級制覇をした。
全てのバランスが取れた藤岡奈穂子ゆえに今後の対戦相手が難しくなっていた。

そんな彼女に対して、挑戦してきた選手が川西友子。
東洋太平洋女子スーパー・フライ級王座を2度の防衛している171センチの長身ボクサー。

長距離レンジからシャープなジャブと、打ち下ろしの右ストレートを主武器の均整とれたボクサーファイター。

僕は、「これはジャイアント・キリングとかいう試合じゃない。どちらが勝つかわからない…」
そう思って、観戦することを決めた。

1ラウンド、お互い長距離で牽制し相手の引き出し・距離感など見合う展開になる。

川西友子のジャブがシャープで序盤ヒットさせるが、懐に深く飛び込んでオーバーハンドの右フックや左フックが少しヒットして1ラウンドを終える。
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実は、この展開に活路を見出した藤岡奈穂子選手は、正対してる時は上体を動かして、川西友子のワンツーはウィービング・ダッキング等でパンチをかわす。
上体を「くの字」にして、思いっきり大きく踏み込んで外側からのパンチを当てまくった。
序盤は、その飛び込みに対して、川西友子は、後ろに下がってアッパーのカウンターをボディや顔面も狙おうとしたが、それも出来なくなっていく。

川西友子は、動きも早いし、心も強いのは試合を通じて分かる。
だが、横の動きがない事とボディのカウンターなどを振るえなくなっていったため、
藤岡奈穂子としては、リードジャブも牽制程度にし、
上体の振りを混ぜて前に出る形という比較的、ボクシングの作り込みをせずに戦えてた。
そんな展開で、完勝した。

それにしても、お互いの良さを感じる試合だった。
藤岡奈穂子のあのパンチの打ち込み方で、二発まで打てばクリンチが普通だという感じなのだが、
ワン・ツー・スリー・フォーと手数が出る!
よっぽど下半身が強くて(踏み込みの深さと持続力!!)、ブレがないから、あれだけのフォームで連打が出来るのだろう。
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そして、川西友子も素晴らしいのは、自分を律していたと思う。
藤岡奈穂子のパンチの煽り方は、付き合って振り回してしまいそうになりそうなのだが、そうはならない。
心が強い、、そう思った。
あれに付き合うと、致命打を食っていただろう。
あと、ジャブに対して、右を被されてもジャブが減らないようにしていた。
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あと、ここからは僕の見立てが正しいとは言い切れないのだが、
藤岡奈穂子の連打時だ。
この選手は、ガードも緩く、正対していて危険な風に見えるかもしれない。
それが、違うんです。
正に、メキシコの変則ファイターばりに「くの字」になって、
地面を見ながら打ち上げ式にパンチを当てにくる。
そして、頭や肩を相手の腹部・胸部に押して、上体をつっ立たせる。
自分が打たれる場所も無くし、
出処が分かりにくく、
相手のバランスも崩させ、
なおかつ、バッティングを気にさせるダーティさもある。
自身の負けん気の強さにもあってる戦術で面白く感じた。
山口直子戦より、体格差もあり、一本調子な戦い方しか選択肢がなくなったのもあるが、
それもまた面白かった!
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あと、川西友子が多少プッシングや足を払う的なダーティな技も使っていた。
僕は、全然有りだと思う!
むしろ、好感が持てた!
藤岡奈穂子も、そこをアピールしたり会場をうまく煽ってた。
バッティングのダーティ・テクニックもお互い様だった。

今のワールドカップを見てても思うが、世界最高峰は削り方もギリギリまでやる。
スポーツは、こうじゃないといけない!!
そんな思いをした、世界戦でした。

最後に。
藤岡奈穂子選手は、かっこよかった。序盤は、ラウンド開始時にリング中央に出て行くのが同じタイミングなのだが、後半になると藤岡奈穂子が先にコーナーを出ていた。
これは、心の差が表れてるなーと。
それで、確か7か8ラウンドの開始時に、相手コーナーが椅子を片付けられてない時に、クールにコーナーを左手で差し、
「椅子が出てるよ」とレフェリーに促していた。
その視野の広さ、冷静さがこの試合の一番好きな場面でした。
あと、後援会の人にたまたま声をかけてもらって、ノボリを持たせてもらえて嬉しかったです^_-☆

ではー