長文です。速報!?吉田実代のボクシングデビュー戦について。 | おおおかのボクシングBLOG

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吉田実代は、デビュー戦を勝利で飾った。
とにかく、2分4ラウンドルールというのは過酷だ。
短いゆえに、ゲーム展開もスピーディになる。

もし、特筆すべきほどのパワー!
瞬発力!
スピード!
破壊力!
があれば、どうにかなるのだが女子では、そうはいかない。

前半を捨てるという言い方はおかしいかもしれないが、
敢えて敵選手のパンチを受けとめて(ブロッキングしながら)、
ハンドスピードやコンビのパターン、
パンチ力、
距離の設定、
タイミングもそう、
相手の得意な合わせに来るパターン・出どころをじっくり見極めた上で、
パーリーなどでパンチを打ち下ろして、ストレート系のパンチで測って、心を折っていく…と。
そういう展開は、女子4回戦ではなかなか作れない。
それは、現行のマストシステム制というのもある。
一発いいのをもらっても前進して、くっつきながらガチャガチャとパンチを出せば、
急所には当たらずとも、
手打ちパンチでも、
ダメージとはいかないまでも身体に当てられ、小さな有効打として点数にはなる。

その辺りが、吉田選手の絶対的な課題点だと思う。
さて、もう少し具体的な事を書こう。

吉田選手は、ガードは忘れていないが堅いという印象は持てなかった。
そして、相手が頭突き上等で仕掛けられてイラついてたのか、身体も心もブレが見て取れた。
体力的な強さが今まで印象的だったが、実は腕っぷしまでは強いタイプで無いのか??とも今回思った。

スタイルの話についても書こう。
左ジャブ➡︎右ストレートしか出せなかった(それでも右を当てていたのだから、フェイントやタイミングをずらすなど上手くしていたのだろう)。

「出せなかった」というより、相手の佐藤選手が「出させなかった」と言うのが正しい。
距離を潰され、吉田選手は接近戦のボディを打つ感じにしかならなかった。
しかも、上体が突っ立っている感じだからあんまり効かなかっただろう。

右ストレートを決めても前のめりになり過ぎず、自分のいい距離だけステップバックし、相手が入ってきたら左フックを合わせてというシンプルな事が出来なかった。

あと、中間距離でのボディストレートなどの散らしが欲しかった。
確かに、相手がガードもきっちりあげていて的は少なかったかもしれない。
ブロックの上からでもいいので、相手に幅を見せて、考えさせ、ほんのわずかな躊躇をさせるような事も必要だった。
何もマルケスのような美しいコンビを求めていない。

あと思ったのは、相手に押し負けたくない!という意識になるのは分かるが、ジャブ・ストレートが強いのを打とうと力が入っていて、押すような感じにも見えた。
スナッピーじゃないということだ。
それは、どういう事が起きるのか?というと、
一発ずつ、しっかりと打つ選手というのはパンチのスピード感を感じない。
もう一つのスピード感が落ちるのが、一つずつの攻撃の間が空いてしまうということ。

それは危険な事です。
もし対戦相手が、
藤岡奈穂子だったら?
真道ゴーだったら?
山口直子だったら?

あのジャブに合わせて、右のストレートを被せてくるだろう。
そうしたら当然、ジャブもどんどん打てなくなっていく。
打つ手が削られていくということだ。
もしくは、右クロスでKO負け、ジ・エンドとなりかねない。

また、攻防に間が出来てしまう戦い方をするということは、フットワーカーでありペチペチと手打ちで打っては一気に離れまくるような選手には大苦戦するということだ。
(日本の男子世界王者でわかりやすい名前を出すと高山勝成なんてそういうスペシャリストだ!)

吉田実代選手に改善・進化を求めるならば、ボディ・顔面への散らし、
力を抜いたジャブを磨いてもらいたい。(和氣慎吾なんて、この辺りがすごいよなぁー!)
幅が広がるという事は技量が上がってる事になり、当然思い描くゲームプランも色々増えることとなる。

さて、色々と書いてきたが今回がデビュー戦だ。
緊張していたのもある。
勝ちたい以上に倒したいという気持ちなんかも混じっていたのか、
序盤に、絶対届かないだろうという所で右ストレートを放つ場面が一度あった。

それを見た時、川尻達也のUFCデビュー戦の最初を思い出した。
「これは、やばいんじゃない!?」って感覚になりましたね汗

あと、彼女のセコンド陣が迷彩柄のハーフパンツを履いていたのだが、僕も迷彩柄のパンツを履いていたので、「奇遇だなあー」なんて思ったり。

そしてガウンだ。
かっこよかったなぁー、こういうプロ意識は大事だと僕は思う。
自己投資をし、
自らを鼓舞させる、
「こんな格好つけて負けられない!」と。
そういうものを背負うっていうのは僕は好きです。

…とまあ、勢いでここまで書いたが、最後にこれを記して終わろうと思う。

今回の対戦相手、佐藤絢香選手。
非常に素晴らしい根性を見せてくれた。
それは、戦前の予想通りだった。

なぜかというと、吉田選手の過去の戦績が不気味なんです。キックや総合で結構試合数をこなしているし、危険な相手と戦っている。
しかも、恵比寿KsBOXジムのブログにも
「女子選手はなかなか試合を決めるのが難しくて日本中電話かけまくりましたー」
と書いてあった。

それで結果、福岡のYuKO(ユーケーオー)ジムの佐藤絢香選手が快諾した、と。
関東や関西では、ダメだったの!?って僕は瞬間的に思った。

そして、このジムには先日世界王者になった黒木優子がいる。
黒木優子は23歳という若いのに日本人の強豪と結構戦っている。
この同門の世界王者とともに、磨きあってるわけだ。

だから絶対に、根性あるヤツだなと想定出来た。

でもね…うーん、あえて正直書こう。
二人は、まだまだダメだ。
村田諒太や宮崎亮には厳しく書いてるのに、女子には優しくというのは嫌なのでここまで書きました。

試合後に、清々しい笑顔の吉田選手と会話したのに、こんな事を書く僕は嫌な奴ですけど、お許しください。
ではー