最新刊:涼宮ハルヒの分裂 (文庫)
PSP「涼宮ハルヒの憂鬱 (仮)」2007年発売予定!!(impress GAME Watch)
昨年一大ブームを巻き起こした「涼宮ハルヒの憂鬱」が ゲーム化される事になった。人気アニメがゲーム化される事自体は、別に 珍しい事ではないのだが、そのプラットフォームがPSPになったという事に 色々と考える所があった。

DS隆盛下で何故PSPを選択?

日本の携帯ゲーム機市場では、DSが圧倒的なシェアを占めている。本ブログで集計しているアマゾンでのコンソール別シェア でもそれは明らかだ。単純にユーザー数の多さから考えたらDQの例を出すまでもなく、DS以外の選択肢は無いだろう。しかし、それでもハルヒはPSPで発売される事になった。 何故だろう?

そこを考える前に昨年末からのアニメ系タイトルでファミ通セールス TOP30圏内に入ったタイトルを纏めてみた。

タイトル 機種 本数
ポケットモンスター ダイヤモンド・パール DS 5163271
オシャレ魔女 ラブ and ベリー ~DSコレクション~ DS 871962
JUMP ULTIMATE STARS(ジャンプアルティメットスターズ) DS 624846
ガンダム無双 PS3 248761
フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] PS2 166986
.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで PS2 137327
デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト DS 121280
NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル PS2 107602
ドラゴンボールZ 遙かなる悟空伝説 DS 103852
ひぐらしのなく頃に祭 PS2 93319
機動戦士ガンダムSEED 連合VS.Z.A.F.T. PORTABLE PSP 87338
DEATH NOTE キラゲーム DS 72658
のだめカンタービレ DS 70320
ワンピース アンリミテッドアドベンチャー Wii 66618
BLEACH DS 2nd 黒衣ひらめく鎮魂歌 DS 65414
結界師 烏森妖奇談 DS 56970
クレヨンしんちゃんDS 嵐を呼ぶ ぬってクレヨ~ン大作戦! DS 56819
ドラゴンボールZ スパーキング! NEO(ネオ) Wii 51814
BLEACH~ヒート・ザ・ソウル4~ PSP 48033
NARUTO-ナルト- 疾風伝 激闘忍者大戦!EX Wii 46787
ドラゴンボールZ 真武道会2 PSP 41988
ドラえもん のび太の新魔界大冒険 DS DS 32552
北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~ PS2 29658
名探偵コナン 探偵力トレーナー DS 27155
真・らき☆すた 萌えドリル ~旅立ち~ DS 24473
ルパン三世 ルパンには死を、銭形には恋を PS2 22170
金色のコルダ2 PS2 21480
聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編 PS2 20745
D.Gray-man ディー・グレイマン 神の使徒達(イノセンスのしとたち) DS 18054
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ワールドチャンピオンシップ2007 DS 18025
家庭教師ヒットマンREBORN! DS 死ぬ気MAX! ボンゴレカーニバル!! DS 17604
テニスの王子様 ドキドキサバイバル 海辺のSecret PS2 14604
ケロロ軍曹 演習だヨ! 全員集合 パート2 DS 13875
ローグギャラクシー ディレクターズカット PS2 13615
THE BATTLE OF 幽★遊★白書 ~死闘! 暗黒武術会~120% PS2 11856
学園アリス ~わくわくハッピー★フレンズ~ DS 11383
ネギま!? 超麻帆良大戦チュウ チェックイ~ン 全員集合! やっぱり温泉来ちゃいましたぁ DS 10799
ローゼンメイデン ゲベートガルテン PS2 10184
この青空に約束を-melody of the sun and sea PS2 10068
アイシールド21 フィールド最強の戦士たち Wii 9220


アニメ関連ゲームの売れ方

タイトル数自体はハード台数を反映するようにDSが19本、PS2が13本、Wiiが4本、 PSPが3本、PS3が1本となっている。しかし、DS1700万台、PSP500万台のハード台数差がソフト売り上げ本数にストレートに反映しているかと言うと、DS上位3本は別格として全体として見ればそうとも言えない。

もちろんマルチプラットフォームのタイトルが無く、ゲームのデキや、アニメの人気も影響するから単純に比較は出来ないが、少なくともDSと PSPの知育系ソフトに見られるような、ハード普及台数がリニアにソフト売り上げ本数差に反映するような状況ではないようだ。

ユーザー層の違い

この状況は、DSとPSPのユーザー層の違いに要因があると思える。 PSPには知育ゲームを買うような新規ユーザー層がDSに比べて圧倒的に少ない為に同じ知育系でもDSとPSPでソフト本数に差が出るのではないか。

しかしアニメ系ゲームを買うようなユーザー層では、プラットフォームが何だろうが、持ってなければハードごと買ってしまう強烈な購買力を擁しているから、ハード普及台数の多少がソフトの販売本数に直結し難くなっているのではないだろうか?

また、大抵のアニメ関連ゲームは一般向けのゲームではなく、コアなファン層をターゲットに置いた商品なので、ハード自体の普及台数はそれほど大きなファクターではないかもしれない。つまりいくらパイが多くてもターゲットとする層自体が少なければあまり意味がないという事。

そういう前提条件があるとすれば、ハルヒを台数シェアでは圧倒的に劣るPSPで発売する事に何の不思議もない。また、ハルヒ自体のファン層が比較的年齢層が高いという事も、PSP で発売する要因として挙げられるだろう。

他にはマーケティング上の理由ではなく、ゲームシステム上の理由でPSPを選択したという事も考えられる。アニメでもネットを利用した様々な仕掛けでファンを楽しませた作品だけに、ゲーム化であれば、更なるネットとの連携もあり得るだろう。またPSPの強みである動画再生や大容量メディアのメリットを活かしたフルボイス等の展開も期待出来る。

何れにしても、プラットフォームをDSではなくPSPにした事が吉と出るか、凶と出るか、続報があればまた取り上げたい。ちなみにハルヒの販売目標は・・・ 5万+αと予想しておきます。昨年からの勢いが衰えていなければ、原作/アニメファンの強力な買い支えで十分達成出来る数字だと思う。ストーリー的にゲームとの親和性も高そうなので、ゲーム自体のデキによって新たなファン層を形成して更なる上積みも期待出来るだろう。


つまりは、ミクルビーム次第という事で締めよう。


「頑張れミクル、DSに取られたユーザーをPSPに取り戻すのだ。PSPの活性化と命運は、ひとえにミクルの双肩にかかっている」