刑事は、事件から逃げるな NO 1 | 元刑事の手帳

元刑事の手帳

元刑事、現在刑事告訴専門の行政書士のブログ

捜査の技術力が低下する。

捜査の技能を向上させる必要がある。

等と言われて数十年が過ぎました。


ベビーブームで採用されたベテラン警察官が

大量に退職することもその一因と言えます。


警視庁の刑事総務課に勤務する警部補の

男性37歳が以前勤務していた警察署で扱った

捜査書類や証拠品を持ち出し、隠し持っていた

として公用文書毀棄と地方公務員法違反の

疑いで検察庁に書類送検されました。


警部補は、起訴猶予処分で3カ月の

停職処分を受け、辞職しております。



この不祥事事案と前後して

某県警の53歳の警部補の

男性も21件の窃盗事件などの

被害届や供述調書などの捜査書類と

証拠品を自宅に隠し持っていたとして

検察庁へ書類送検され、3カ月の

停職処分で依願退職をしました。


この2名の警部補は、いづれも

「事件の処理方法が分からず、先送りにしていたので、(異動する際に)今さら誰にも引き継げなかった」と供述しているとのこと。


問題は「事件の処理方法が分からないのでそのままにしておいた」と言うことです。


如何して、検事に相談しなかったのか。

ここが問題なんですね。



私も警部補当時、37歳の警部補と同じ

警察署に2年間勤務したことがあリました。



当時、同署では、時効切迫の

未処理告訴事件が10件もあり

同署から捜査二課員をとの要請で

私が着任することになりました。



着任すると事件処理の打ち合わせに

担当検事の処へ1ヶ月に1回、多い時は

4回も打ち合わせに通いました。


勿論、何でもかんでも検事に

相談を行い、検事に事件判断を

あおげば良いというものではありません。



検事は、起訴率と言われています。


検事は、起訴できない事件を

受ける訳がありません。


そこが検事と刑事の信頼関係なのです。



当時、私が着任した警察署は110番の件数が

警視庁で1番多く、しかも年間での変死件数も

一番多いことでも有名な同署で、宿直時間中は

一睡も寝ることのできないという厳しい警察署でした。


この様な勤務環境の中で

検事との信頼頼関係を作り、2年間で

20件の告訴事件を処理して0件にして

捜査二課に異動しました。


これは、チョットした私の自慢です。



如何に検事との信頼関係を

作り、如何に事件を処理したのか



次回、お楽しみに。


「刑事は、事件から逃げるな NO2」