150707 | hibinoawa

150707

入江陽とbutaji『探偵物語』素晴らしい。作品タイトルが発表された時点では「いや探偵って…どういうモチベーションで聴けばいいの!?」と思ったが、いざ聴いてみるとソリッドなダンストラックにばっちりはまったユーモラスな歌詞と素晴らしすぎるふたりの歌声にどんどん引き込まれていった。もともとbutajiが好きで買ったんだけど、聴いていて入江陽さんの歌がとにかく良いなと思ったな。なんかクセになる。結構前から知ってて、それこそbutajiの対バンとかでライブも見てるんだけど、ここに来てやっとというか、改めてというか、その魅力にやられてしまった。優雅でソウルなフィーリングなのだけど、基本的にふざけてるのが滲み出ている感じがたまらない(笑)もちろんそれだけではなくて、特にカップリングの憂いを帯びたアーバンテイストの「別れの季節」での歌い回しはほんと絶品でぐっときてしまった。多分近いうちにソロ作買う。butajiの歌声は相変わらず最高!空間系というか、一撃で胸を掴まれる瞬間があるんだよね。ライブで歌声でぶっ飛んだのはbutajiとPERIDOTSだけだな。この盤では「UFO」とカバー曲以外の全作曲に関わっていて、トラックメイカーとしての才能も如何なく発揮している。新譜『アウトサイド』発売までは、この『探偵物語』を聴きながら待とうと思う。入江陽もbutajiもだけど、ソロシンガーでインディーで、ここまでR&B・ソウルを軸にクオリティの高い音楽をやっているミュージシャンはなかなかおらずかなり貴重だと思うのでこれからも注目していきたいと思う。

Poet-type.Mの夏盤『A Place, Dark & Dark -ダイヤモンドは傷つかない-』はどうも聴いていると気分が重くなって一度に何回も繰り返し聴けない。全編に漂う重苦しい空気感や追悼の雰囲気に心の奥深いところを掴まれてしまった。最後の「ダイヤモンドは傷つかない(In Memory Of Louis)」でルイが転落死した晩、泣かなかったサーティーンの心情を想うと、もう言葉も出ない。ここ数日そればかりずっと考えてしまう。ルイ視点の1曲目「バネのいかれたベッドの上で(I Don't Wanna Grow Up)」の躍動感も、それがあるからか、聴いていて胸を引き裂かれる気持ちになる。架空の物語やキャラクターに自身の喪失感や哲学を落とし込んで表現するからこそ、だからこそ、届く部分があると思う。最近聴いてるのだと土井玄臣や昔の七尾旅人もそうだけど。より力強くなったサウンド面も含め門田匡陽の全キャリアの中でもかなりの上位に来る作品だと思う。個人的には『kageokuri』を初めて聴いた時を思い出したかな。あれも俺の中では夏なんだよね。冷たく薄暗く透き通る、静かな夏。『A Place, Dark & Dark -ダイヤモンドは傷つかない-』は四季盤のうちのひとつだけれど、『kageokuri』みたいに世界観がひとつにまとまっている独立した作品としても聴けると思う。明るくはないけど、門田匡陽の独自性が色濃く出ている作品なので機会があったら是非。秋盤も期待だな。そういえば封入されていたチラシによると、秋盤と冬盤のあとに「最終章」なる作品も発表されるらしい。これはまさかフルアルバムなのだろうか…。もしそうだったらGood Dog Happy Men時代の『theGOLDENBELLCITY』三部作を越えるスケールになるな。楽しみすぎる。そういえば秋に開催される門田フェスの最後のバンド、バレバレだったけどやっぱりGDHMだったね。チケット応募してしまった。当日の門田匡陽はBURGER NUDS、GDHM、Poet-type.Mとステージに出ずっぱりになるわけだけど、体力とか大丈夫なんだろうか…。こっちも楽しみ。