最近、Facebookの友達で、「保育料が高い」とコメントしている人(Aさん)を見かけました。
保育料は基本的に各家庭での所得に応じて段階的に決定されます。
その方は、お住まいの地域で決められている最高額を払っているそうです。
それが高い、納得できない、とのことでした。
女性の社会進出促進、少子化対策と、聞こえはいいけど、実際には何もやっていないと。
正直、その方のコメントにはかなり違和感を感じました。
我が家も保育園を利用していますし、保育料は金額として考えれば、決して安くはありません。
ただ、その支出には納得しています。
まず、保育園は、子供を預ける行政・民間サービスですから、サービスを享受する人がその費用を負担することは大前提だと思います。
受益者負担の原則ですね。
特に行政サービスの場合は、現状のように希望者全員が保育園を利用できるわけではない状況では、受益者負担は避けられないと思います。
その上で、国や地域の方針に従って、税金を投入する。
保育料の話でいえば、低所得者の保育料を一部税金でまかなうということです。
女性の社会進出促進、少子化対策にも繋げようという意図が反映されます。
ただし、現状のままで、保育料をタダにするとしたら、多くの問題が出てくると感じます。
まず、入園希望したけど入園できなかった人との格差が著しくなります。
入園できれば、家庭の収入は上がり、支出は増えないことになりますから(保育園関係の支出に限る)。
当然、優先されるのは、「所得が少なくて共働きを選択する」必要がある人でしょう。
Aさんのように、保育料最高額を払うような方は、劣後になると思われます。
これでは、保育園入園の基準が変わるだけで、女性の社会進出促進、少子化対策に繋がるとは思えません。
次に財源の問題。
税収は一定と仮定すると、それをどのように使用するか・配分するかの問題になります。
保育料をタダにすることに配分するなら、他の配分を減らさなければなりません。
それに対して不都合を感じる人・反対する人は多いでしょう。
ただし、これは受益者の多数決(ex:選挙結果)だったり、自治体の方針によると思います。
つまり、保育料をタダにするには、他の犠牲を強いることになります。
ざっと考えても大きな問題があると感じます。
これをクリアするためには、
①希望者全員が入園できるだけの保育園を用意し、
②犠牲を生まないよう財源を確保する
必要があります。
では、その財源は? 税金?
でも増税にも反対したくなります。
問題が大きすぎるから放置する、という訳では決してないですが、
単純に保育料を引き下げれば済むということでもなさそうです。
だから、現状では受益者負担で安くない保育料を支払うことも納得、という訳です。
何も言わなければ「不満がない」とみなされるし、
言っても深く考えないと愚痴に過ぎないし、
考えれば問題が大きくてどうしたらいいか分からなくなるし、
いろいろ難しいですね。
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