生きてることが、嫌になったとき....
君なら、どうする?
って、聞かれても、困るよね。
生きてることが、嫌になったとき....
僕は、そのとき、名寄の街を思い出した....
幸せ、だった....
友達も居た
先生からの、信頼もあった
そして、何よりも
長兄が、健康だった....
冬も間近という晩秋の季節に
長兄と名寄川の堤防に
長兄お手製の凧を上げに行った
長兄と二人で一緒に歩いた
最初で、最後の道....
生きるのが、嫌になったとき
長兄と凧を上げた、
堤防と名寄川の間にある
短い河川敷を思い出す....
僕はまだ、子供だった
世界なんて、何もわからなかった....
後年、長兄が統合失調症になり
結局、失踪したまま人生を終えることを
子供の僕は、予想さえ、しなかった....
生きるのが、嫌になったとき....
お兄ちゃん
僕は、あなたに、僕の人生の幸せの
半分でも、分けて上げたかった....
生涯、女を知らず、家庭や子供を持つ、幸せも知らず、
自ら、命を絶っただろう、お兄ちゃん....
僕の命の半分でも、上げたかった...
もし、生きているのなら、お兄ちゃん
母が、一番、愛して居たのは
お兄ちゃん
あなたです....
鬼武彦 拝