壊れやすい心の
窓を開けて
森へ続く道を
歩いて行く
幸せは、どこ?
「あの山の向こう」
黒いコウモリが
そう、呟(つぶや)く
大きな石ころの転がる崖のような道を登り
山上の泉に出くわす。
澄んだ泉の水を、ごくごくと飲み
先へ歩く
ふと
家に置いてきた
カナリヤを思い出す
家に、戻らなくては!
幸せ、それは、いつかどこかの、遠くではなく、
いつも、僕の、家にあった。
幸せの青い鳥を探して旅に出た、兄と妹のように
僕の家は、ここにある
そう、
遥(はる)か、日本を離れたワルシャワに
かつて、
どこかの、幸せを夢見た
少年の
ついぞ、
見(まみ)えることのなかった
我が家
幸せ
僕は、それを、渇望していた
あの日
いつかの、
夢
希望....
すべては、
叶(かな)えられる
そう、
永遠に
僕らは、みな、
救われる。
鬼武彦 拝
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