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1.まえがき
 中高オリエンテーリング界の発展を願い、そのかけらを担うことができたらと思い、最終学年となった今、自分がこれまで取り組んできた経験をもとに書く。
 ただ、ここに書いているのは、自分の感覚として感じているだけであって、理論に基づいたものではない。また、誰かが実践しているという話を聞いたわけではないので、本当に有効なのかは誰にもわからない。
 そういうことを理解したうえで、この考え方に賛同できると思った人にのみ取り組んでほしい。

2.対象
 この文章を読んで役に立つのは、オリエンテーリングを早くなりたいと心から思っている人だけだ。オリエンテーリングに青春をささげることになるかもしれない、ということにうすうす感づいている人が対象だ。
 また、ここに書かれている方法は、日本でのオリエンテーリングとして実になるまでに時間がかかる。つまり、中学のインターハイでは結果を残すことは難しいかもしれない。また、早いうちから技術を習得すれば、期待の星、として注目されるかもしれない。しかし、そんな彼らには足という武器があるのか、という疑問があるのだ。彼らとは一線を画すトレーニング方法で、「ウサギとカメ」のカメのように、世界で戦う、というゴールともいうべきレベルになるまでの時間としては、短縮できると思う。

3.準備期(2年程度)
 まずは、長い距離を走る体力をつけることだ。それがなければ、その先のトレーニングに耐えることができない。目安としては、200km/月を走れるようになれば上出来、150km/月程度が最低限のレベルだと思う。それを半年程度持続的に継続できるとほぼ完了だ。ペースは、5~8分/km程度で構わない。また、いきなり長い距離を走るのでなく、徐々に伸ばしていこう。目安は前月比110%といわれている。ここで故障をしてしまっては、話にならないので、怪我には気をつけよう。トレ記録もしっかりつけるべきだと思う。
 オリエンテーリングの技術的な上達は、体力レベルの向上がひと段落したころに本格的に始めればいいと思う。だから、一通り山でコースが回ってくることが出来、等高線を見た段階で地形がイメージできるようになっていれば、今のところは問題がないと思う。

4.鍛錬期(3年程度)
 ここからは、スピードを上げて走ることを一番の目標とする。一キロ程度のダッシュ(時期にもよるが、目標は3分/kmあたり)を数本繰り返す、や5~10キロ程度を前よりもペースを上げて(時期にもよるが、目標は4分/km程度)走る。また、ある程度の割合で、山を走る機会を取り入れたい。やはり、不整地の登りを走って登ることができれば大きな武器になると思う。
 とにかく、3000mのタイムを10’00程度、出来ることなら9’30くらいまで上げることが目標だ。しかし、こういった目標は全然簡単なものではない。なので、腰を据えてじっくりと取り組んでほしい。また、3000mの短い距離だけでなく、10kmのTTも定期的に行い、タイムの向上を目指してほしい。こちらは、実経験がほとんどないので、目標タイムを言いにくいが、40’00を切るレベルだと思う。
 この時期でスピードがある程度ついたと思ったら、オリエンテーリングの技術練習も本格化すべきだと思う。ほぼノンストップでオリエンテーリングができるような技術を身につけるといいと思う。具体的には、読図走、走りながらのナビゲーション、などなど、走りながら、いろいろな動作をおこなう練習を行うのだ。
 正直に言って、中高5年間で出来ることは少ない。ここまでに書いたことをすべてやるだけでも難しいと思うが、それが出来れば、史上最強の高校生オリエンティアとなり、大学生トップレベルとも対等に戦うことができると思う。

5.自己体験
 俺は、中3の途中までははっきり言ってトレーニングをしている、という状況ではなかった。中2までは部活の練習以外に自主的に走るということは全くなかったし、技術練習も大会、合宿だけだった。
 また、俺は、何故か中1のころから特に迷うことなく、コースを回ってくることができ、速いと言われていた。そのままの流れで、高1のはじめのJWOCセレを通過してしまったから、本当に勘違いをしていたのだと思う。
 しかし、二回JWOCに行って、やっと少し分かった様な気がする。-オリエンテーリングは「走れ」なければ、速くない。「走れ」なければ、世界では通用しない。
 それから、体力的なトレーニングを始めたが、高1のうちはすぐ先の大会が気になり、トレーニング量を減らしてしまっていた。大事なのはその大会なのか?JWOCなのか?分かっていなかった。でも、それに気付いた今は、そんなことはしていない。大事な大会は一月に一つ設定しておけば十分だ。そうでない大会は、出来る範囲で最大限の努力をすればいい。

6.最後に
 勢いで、一気にこの文章を書いてしまったが、本当にこの方法が「正しい」方法なのかはわからない。しかし、トレーニング方法に「正しい」方法というのは存在しない。これが正しいと信じる人にとっては、この方法は正しいはずだ。ぜひ、オリエンテーリングを楽しみ、かつ、速くなって一層の楽しみを味わってほしい。