WHITESNAKE 『Slip Of The Tongue』
今回はホワイトスネイクの 『Slip Of The Tongue』 です。
以前、『WHITESNAKE (SERPENS ALBUS)』 を紹介しましたが、この2枚は本当に良いですね。
エイドリアン・ヴァンデンバーグがレコーディング前に腕を故障し、急遽スティーヴ・ヴァイがギターを担当することになった少し異質なアルバムです。
当然曲作りには参加しておらず、すでに出来上がった曲にギター・パートを被せていったわけですが、これが素晴らしいんですよね。
ですが、当時は賛否両論あり、どちらかといえば否定的な意見が多かったみたいです。
特に 「Fool For Your Loving」 のような昔の曲をリメイクした曲は不評だったみたいですね。
松本さんはこのアルバムのバージョンの方が好きみたいで 『Rock'n'Roll Standard Club』 でもこのバージョンでカヴァーしてます。
昔からのファンの人には、“ホワイトスネイク+スティーヴ・ヴァイ” というのは違和感があったみたいですが、僕は初めにこの2枚から聴いたので、むしろこれが僕の中での “ホワイトスネイク” ですね。
レブ・ビーチがギターを弾いている今のホワイトスネイクの方がよっぽど変な気がします (笑)
それほど、スティーヴ・ヴァイのギターが浮いている印象は受けないし、バンドの中での自分の立場をしっかり理解しストレートなロック・プレイに徹しているあたりはさすがだと思います。
なのにどこをどう聴いてもスティーヴ・ヴァイのギターだとわかる個性があるのはやっぱり凄い。
ヴァイが自分のアルバムで弾いているギター・プレイより良いような気がします。
曲作りに関わっていないってのが、良かったんでしょうね。
ヴァイが作ったらこんなストレートなロックソングにはならないから。
本当にギターは素晴らしいんですが、エイドリアンからは 「こういうギター・プレイを想定して作ったんじゃない」 と苦情があり、デイヴィッド・カヴァーデイルから 「これを君に任せたい。 まったく君なりに処理してもらって構わないから、とにかくこれを預ける。 しばらくしてからまた来るよ」 とテープを渡されたヴァイからすると少し憤慨だったようです。
まぁエイドリアン・ヴァンデンバーグがギターを弾いていたら、ここまで良い出来にはならなかったんじゃないかななんて個人的には思います。
なにはともあれ、スティーヴ・ヴァイの参加は両者にとってあまり良いプロジェクトに終わらなかったようです。
それにしても本当に全曲良いですね。
リフもソロも聴き所満載だし、トミー・アルドリッチのドラムもパワフルでカッコイイし、全体のサウンドもグレイトです。
プロデューサーはB'zの 『ELEVEN』 でもプロデュースしているマイク・クリンクです。
今日はその中から3曲紹介します。
まずは、「Now You're Gone」 です。
ポップでメロディーが良いし、ヴァイのちゃんとツボを心得た演奏も素晴らしいです。
バッキングもソロも文句なしですね。
続いて、「Wings Of The Storm」。
オリエンタルなスケールを使った掛け合い風なソロが素晴らしい。
ツェッペリンを彷彿させる曲でドラムもギターもヴォーカルもメチャクチャかっこいい。
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1. Slip of the Tongue |
2. Cheap An' Nasty |
3. Fool for Your Loving |
4. Now You're Gone |
5. Kittens Got Claws |
6. Wings of the Storm |
7. Deeper the Love |
8. Judgment Day |
9. Sloe Poke Music |
10. Sailing Ships |