第20回柔道整復師国家試験 軟部祖組織損傷対策 | 柔道整復 虚心坦懐

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柔道整復に関することを綴ります.

いよいよ,第20回柔道整復師国家試験が3月4日に実施されます.

今回は,最初から柔道整復学・理論編の第5版で学んだ学生さんたちが望むことになります.

第4版と比較して,特に軟部組織損傷が充実しましたが,その当たりからどの程度の出題があるのか,そしてその難易度は?などなど,受験生にとってはとっても悩ましい限りでしょう.

もちろん,軟部組織損傷以外にも,内容が濃くなったり増えたところがあるのですが,さしあたって,柔道整復学・理論編 第5版の軟部組織損傷をベースに(ごく一部,記載がないものもありますが)作問しましたので,本番前の基本事項の確認問題として取り組んでいただけたらと思います.

では,20題,どうぞ!


問題1 顎関節症について正しいのはどれか.
1.Ⅴ型は咀嚼筋障害である.
2.Ⅱ型が顎内障に該当する.
3.Ⅰ型は精神的因子によるものである.
4.Ⅳ型は変形性顎関節症である.

問題2 正しい組み合わせはどれか.
1.ベネット損傷 ――― 棘上筋
2.SLAP損傷 ――― 上腕二頭筋長頭
3.上腕骨外側上顆炎 ――― 長橈側手根伸筋
4.ド・ケルバン病 ――― 長母指伸筋

問題3 腱板断裂の検査でないのはどれか.
1.インピンジメント徴候
2.ドロップアームサイン
3.ペインフルアークサイン
4.ヤーガソンテスト

問題4 腱板断裂で正しいのはどれか.
1.腱板の中で棘下筋は解剖学的に損傷を受けやすい.
2.腱板は加齢による退行性変性の進行が早い.
3.腱板断裂は大結節付着部に多い.
4.陳旧性の腱板断裂では筋萎縮がみられることはない.

問題5 誤っているのはどれか.
1.腱板断裂では肩関節外転0~60°の間に疼痛を生じることが多い.
2.腱板断裂はわずかな外力でも発生することがある.
3.肩関節前方脱臼に合併することがある.
4.大結節部に圧痛を認める.

問題6 リトルリーガー肩で誤っているのはどれか.
1.10~15歳の野球少年にみられる.
2.リトルリーガー肩で生じる骨端軟骨損傷の形態はソリター・ハリスのⅡ型と考えられる.
3.診断には骨シンチグラフィーが有用である.
4.腱板障害と鑑別が必要である.

問題7 正しいのはどれか.
1.石灰性腱炎(石灰沈着性腱板炎)ではCRPの亢進が認められる.
2.関節リウマチが原因による骨棘や,関節裂隙の狭小化も変形性関節症に含まれる.
3.五十肩の運動療法にフレンケル体操がある.
4.動揺性肩関節のほとんどは片側性である.

問題8 誤っているのはどれか.
1.ベネット損傷はクアドリラテラルスペースシンドロームにおける腋窩神経の絞扼を助長する一要因と考えられている.
2.SLAP損傷は投球動作のコッキング期後期に外転,外旋を強制され生じやすいとされている.
3.肩峰下インピンジメント症候群とは,腱板ならびに肩峰下滑液包炎が肩の動きの中で烏口肩峰アーチにくり返し衝突することにより腱板の炎症,変性,肩峰下滑液包炎を生じる病変を指す.
4.リトルリーガー肩が進行すると,骨頭は内・前方にすべる.

問題9 誤っているのはどれか.
1.動揺性肩関節のほとんどは両側性である.
2.誘因のない肩関節の痛みを伴った運動障害を五十肩という.
3.石灰性腱炎(石灰沈着性腱板炎)は40~60歳の女性に好発する.
4.肩関節に変形性関節症が生じることが多く,特に脱臼後に続発する.

問題10 誤っているのはどれか.
1.内側側副靭帯は投球時の外反ストレスによって損傷されることが多い.
2.肘側副靭帯損傷で重症なものは肘関節伸展位で副子固定を行う.
3.野球肘内側型では遅発性尺骨神経麻痺が生じることもある.
4.投球時の肘外側への回旋・圧迫力によって上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が生じる.

問題11 正しいのはどれか.2つ選べ.
1.前骨間神経は運動神経であり感覚障害は生じない.
2.橈骨神経低位麻痺では下垂指を呈する.
3.上腕骨骨幹部骨折で後骨間神経麻痺が生じることがある.
4.肘部管症候群ではファーレンテストが陽性となる.

問題12 前骨間神経麻痺で正しいのはどれか.
1.上腕骨顆上骨折などの肘周辺部の外傷に合併し発症する.
2.Froment徴候がみられる.
3.Tinel様徴候を認める.
4.ギランバレー症候群と鑑別を有する.

問題13 パンナ-病について正しいのはどれか.2つ選べ.
1.発生頻度が高く,5~10歳の女子に好発する.
2.肘関節の可動域制限(特に伸展制限)の多くは自然治癒する.
3.上腕骨滑車が壊死に陥る骨端症である.  4.離断性骨軟骨炎との鑑別を要する.
5.パンナ-病はスポーツ歴や外傷歴がある者に発症することが多い.

問題14 正しいのはどれか.2つ選べ.
1.TFCC損傷は尺骨突き上げ症候群に合併して生じることが多い.
2.TFCC損傷では,回内あるいは回外させて軸圧あるいは橈屈させ,尺骨頭にストレスをかける尺骨頭ストレステストによって疼痛が増強する.
3.第1指以外のPIP関節側副靱帯損傷は尺側に比べ橈側が多い.
4.第1指MP関節ロッキングは第1指MP関節が屈曲位をとり伸展が不能となる.

問題15 誤っているのはどれか.
1.ステナー損傷では断裂した尺側側副靱帯が母指内転筋膜の表層に乗り上げるため整復が困難になる.
2.第1指MP関節ロッキングはMP関節が過伸展を強制されて発生する.
3.第1指以外のMP関節ロッキングは日本人では第2指,次いで第3指に好発し,とくに50歳以降の 女性の右手に好発する.
4.第1指以外のMP関節ロッキングではMP関節の伸展が制限され,軽度屈曲位から屈曲する事は可能であるが,伸展することは全くできない.

問題16 正しいのはどれか.
1.膝関節側副靱帯損傷の徒手検査には圧迫Aplyテストがある.
2.中年期以降では前十字靱帯断裂よりも前十字靱帯付着部裂離骨折が生じることが多い.
3.膝蓋軟骨軟化症は比較的高齢者に好発する.
4.ベーカー膿腫とは腓腹筋半膜様筋包が巨大な腫瘤となったものである.

問題17 誤っているのはどれか.
1.下腿のコンパートメント症候群では足背動脈の触知は可能である.
2.下腿のコンパートメント症候群では下肢の挙上は行うべきではない.
3.アキレス腱とアキレス腱周囲炎の鑑別にトンプソンテストを用いる.
4.アキレス腱の断裂部位はアキレス腱狭窄部がもっとも多い.

問題18 シンスプリントについて誤っているのはどれか.
1.脛骨内側後縁部に沿った疼痛,圧痛を主訴とする.
2.原因となるアライメント異常として膝内反がある.
3.ストレッチ痛がみられる.
4.単純X線像で異常所見がみられない.

問題19 正しいのはどれか.
1.セーバー病は10歳前後の男子に多く予後不良なことが多い.
2.有痛性外脛骨は立方骨外側に存在する過剰骨が疼痛の原因となる疾患である.
3.第1ケーラー病は10歳代の男性に多い.
4.第2ケーラー病は10歳代の女性に多い.

問題20 誤っているのはどれか.
1.有痛性三角骨障害は距骨後外側の過剰骨である三角骨が,足関節の最大屈曲に伴い,脛骨遠位端部後縁と踵骨にはさまれ疼痛を訴える障害である.
2.踵骨棘はとくに中年の女性に多い.
3.足底腱膜炎の圧痛部位は一般的に内側縦アーチ部に存在する.
4.モートン病は第3,第4中足骨頭間において足底神経が絞扼される絞扼性神経障害である.


回答
問題1.4
問題2.2
問題3.4
問題4.2
問題5.1
問題6.2
問題7.1
問題8.4
問題9.4
問題10.2
問題11.1,2
問題12.4
問題13.2,4
問題14.1,3
問題15.3
問題16.4
問題17.3
問題18.2
問題19.4
問題20.2

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