三重県内の放課後児童クラブ(学童保育所)を利用する児童のうち、
障害児ではないものの、問題行動などで、特別な配慮や支援を
必要とする児童は200人を超えることが、県のアンケート調査で分かった。
医療機関で障害が認定されていないため、クラブを運営する父母会などが、
周囲の理解や協力が得られずに対応に苦慮する実態が明らかになった。
県は子育て支援に力を入れる一環で、放課後児童クラブ設置も支援し、
過去5年間に100か所近くが新設され、利用する家庭も年々増えている。
一方で、クラブ指導員の間では、他の児童と同じように行動できない児童と
接する際の負担の増加が指摘されてきた。
今回の調査は実態把握が目的で、県こども未来室が、昨年11、12月、
県内の全247クラブ(児童計9025人)を対象に実施し、各クラブの指導員が回答した。
140人の障害児とは別に、216人は、「落ち着きがなくよく動く」
「カッとなりやすく乱暴である」など、
県が作った10項目の発達チェックリストで三つ以上に該当した。
19人を受け入れているクラブもあった。
こうした児童は、市町が専門指導員をクラブに配置する
「障害児受入推進事業」の対象外で、支援体制は十分でない。
自由記述形式で指摘された課題を、こども未来室が分類すると、
最多は「外部との連携」(35%)で、
「我が子の問題行動を認めたがらない親と連携が取れない」
という趣旨が多かった。
2番目は「指導員のかかわり」(32%)で、
「障害を公にしておらず、認定を受けている児童よりも配慮がいる」
などの意見が挙がった。
調査に参加した県立小児心療センターあすなろ学園(津市)の
中村みゆき・こどもの発達総合支援室長は、
「学校だけでなく、家庭機能や子育ての一部を担う放課後児童クラブでも、
児童に対する適切な支援が必要。
市町、福祉、教育など様々な機関の連携が急務だ」と指摘している。
『読売新聞』 2010年4月6日付
「子どもの問題行動を認めたがらない親」が多いことが一番の問題です。
親が子どもの行動を認めず、障害のあることを公にしないことは、
子ども本人にとって不利ではないでしょうか?
各機関と連携を取る前に、親との連携が取れていないと話になりません。
子どもの行動や障害を親が受け入れない以上、何の進展もありません。
制度や事業に任せているだけでは、「その場しのぎ」にしか過ぎません。
親がすべてを受け入れて、積極的に連携を取ることが不可欠です。
そうでないと、子どもは辛くなる一方ですし、子どもの権利でもあります。
僕の知り合いで、親が子どものアスペルガー的特性を
まったく受け入れず、その子どもは14歳から不登校になり、
10年以上経った今も、引きこもり続けているケースがあります。
その青年は、小学生の頃と変わらず、独りでポケモンに熱中しています。
生命に関わる緊急事態でない限り、強制的に支援はできないので、
親が変わらなければ、その青年は、一生、そのままでしょう。
ですから、どうか、問題とされる子どもの行動を認め、受け入れてください。
そこからすべてが始まります。