監督:ティナ・サッター
出演:シドニー・スウィーニー ジョシュ・ハミルトン


 アメリカ国家機密リーク事件で逮捕された女性リアリティ・ウィナーのFBI尋問記録を、ほぼリアルタイムで完全再現。裁判で公開された実際の音声記録を元に、リアリティとFBI捜査官の心理戦を圧倒的な緊張感で描き出す。2017年、アメリカ。買い物から帰宅した25歳のリアリティは、FBI捜査官2人に声をかけられる。ある事件に関する捜査をしているという。気さくで穏やかな口調で何気ない質問を繰り返す彼らだったが、会話は徐々に不穏な空気を帯びはじめ、リアリティは窮地へと追い込まれていく。

 

 実際のFBI尋問の様子が録音されていて、それを忠実に再現した映画。リアリティーは最初、何のことだかわからないような顔をしているように見えた。もしかして機密情報とは知らずに誤って流出させてしまったのかもしれないと思っていた。でも、最終的にリアリティは機密情報だと認識した上で、意識的に外部に送っていたことが判明する。優しい口調ながらじわじわと追い詰めるFBIの手法は怖いと思った。リアリティが流出させた情報は、絶対に国民が知るべき情報だった思う。だけど、流出させれば罪になる。最後にリアリティが「私は米国民に奉仕する立場でもある」と述べていたが、その辺をもうちょっと深掘りして、付け加えればもっと良い映画になったかもしれない。

☆☆☆(T)