認知行動療法について ① | 大阪メンタルサポートオフィス  (ブログ)

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一般社団法人 大阪メンタルサポートオフィス のブログです。
認知行動療法についての理解や自己実現のためのお役に立てば幸いです。
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  認知とは・・? 認知というとまず思い浮かべるのは、認知症という方が多いと思います。
当機関でも認知行動療法という文字が入っている店頭看板を見て、時々認知症の相談に入ってこられる方がおられます。認知の意味はほぼ同じですが認知症は失認知症とか認知不全症とかの名称の方が正しい様な気がします。

 この認知という言葉が入った認知行動療法という心理療法は関西ではまだまだ浸透していない心理療法ですが、現在、欧米では心理療法の主流となっています。

 認知行動療法とは、人間の気分や行動が 認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けるという理解に基づいて、認知の偏りや問題行動を修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした短期の構造化された精神療法です。
 つまり、人の感情や行動はある出来事によって起るのでのではなく、人はその出来事を瞬間的に判断したり評価します(認知)。その結果として感情や行動が生起されます。
認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)は、その人の体験や性格によって人それぞれです。

 例えば、ある出来事がその人にとって<危険>と判断した時、恐怖や不安が生じます。襲われそうな状況など現実的な危険認知の場合、恐怖を感じますし、将来や対人関係をイメージしたり考えたりする場合は、不安の方が強くなります。また、その結果、行動はそこから逃げようとしたり回避しようとしたりします。恐怖や不安が高くなると交感神経も高まり、緊張や動悸など身体反応も生起します。このように出来事から認知→気分(感情)→行動・身体反応の悪循環が起り、精神的な不調をきたすようになります。

 認知行動療法は、その人の認知の偏りや問題行動を科学的な証拠(エビデンス)に基づき介入の有効性を評価する(エビデンスベイスト・アプローチ)とともに、クライエントと協同して問題解決をはかる協同実証主義に基づいて、クライエントの問題解決し、自己実現をサポートしていきます。

 認知行動療法の高い実証性(エビデンス)は、1980年代以降、様々な精神疾患や依存症、犯罪者の更正など様々な分野で証明されています。
 現在では、うつ病や全般性不安障害だけでなく強迫性障害、PTSD、パニック障害、対人不安症(社交不安症)、パーソナリティ障害、大人の発達障害、摂食障害、双極性障害、統合失調症などの精神疾患や職場のストレス、カサンドラ症候群、夫婦関係や親子関係の問題解決、犯罪者の更正など広く採用されています。(S)