ヒンドゥーの教え | 天然村ライブ

ヒンドゥーの教え



先週のblogで天然村体験学校の田んぼで稲が横倒れしたことをお知らせしました。
今日はその続きです。
横倒れした稲を救うため、倒れて地べたに倒れこんだ苗のみの収穫作業を開始しはじめました。
倒れた苗は、全体の約半分。
機械での刈取りができないので全ての作業が人力の手作業です。
これまで順調に進めてきた田んぼだけに、残念。
生きている稲をレスキューするのが先決です。
急遽、今年の田んぼ体験学校の収穫日程を12日に変更して頂き、今年の収穫を終わりにする事にしました。

毎年何かしらある田んぼ。
熟練のプロたちもこの時期はどこもピーンと張り詰めた感じです。
今年の苦労を無駄にしないため、それぞれがそれぞれの仕事に徹し、精を出します。

去年は水漏れが止まらず、通常の収穫はできませんでした。
その前は、イノシシに。
今年は実りがよく実をつけ頭が重くなった稲に雨風があたり、根元から倒れこんで収穫に影響が出ました。
倒れた稲を刈り取ると、実から根が出て発芽しているものもありました。
こうなるともう、おいしいお米とはいきません。

毎年何かを改善し良くなると、何か他の理由でダメになるというパターンが続いています。
4年目の田んぼ。
本当に心身ともに崩れてしまいそうです。
この終わらない戦いはいつまで続くのか…きっと永遠に続くのだと思います。
まるで人生のようです。

そんな時、お世話になっている画家の知人からこんな話を聞きました。
「神様は経験することを知らない」という話です。
何でも思い通りに思った瞬間にことをなす神様は、経験を知りません。
神様がもし田んぼをやったとしたならば、どうでしょう?
一瞬に稲は実をつけ、それは美味しいお米を作ることでしょう。
なぜ、人は失敗をするのか?
このお話のポイントは、ここにあります。
人間が亡くなり天に召される時、神様に献上するもの、それが「経験」です。
「私はこんな経験を前世ではして参りました」と、いままで経験したすべてを神様に献上するのだそうです。
そのために人間は失敗を繰り返すのだという、ヒンドゥーのお話でした。
素敵な話です。
心がグッと熱くなりました。
まだまだやれる。
そんな気持ちにもなり、また膝から崩れ己の無力さに落ち込む、そんな繰り返しの毎日をいまは生きています。