「着物着たり 『○○どす』って言わないんだ…。 町屋が多いかと思ったけど、ビルばっかり…。 舞妓さんうろうろしてないね。イメージと違う、がっかり。」
観光に来た友人からそんなことを言われた時、京都は期待されている町なんだと初めて意識するようになりました。 確かに着物を日常的に着て出歩く人は少なく、京言葉を使う人もごく一部のように思います。
京都の町屋についても調べると、近年では町屋はどんどんビルやマンションに変わり、年間1000軒も消えていっているそうです。
またそうした原因の一つとして、町屋の改修や存続には多大な費用がかかること、核家族が増え跡取りが一緒に住んでいないなど、現代の家庭・家族の抱える課題が町屋の減少にも影響していることが分かりました。
着物にしても京言葉にしても町屋にしても、それまで文化を引き継いできていた家族や地域の中でのつながりが薄くなっているからかも…。
家族みんなでひとつになって協力することが難しくなっているのかも…。
それは私にも同じことが言えました。 私の両親、親戚も離婚や金銭的トラブルの末、昔のような交流はなくなってしまいました。
家族で助け合えたら一番いいけど、そうできない問題の時は、どうしたら良いんだろう。家族でない人も助けてくれたら最悪の事態を避けられたり、自分ひとりで抱え込まずに、少しでも楽に生きられる。
わたしなりに考えた家族やご近所さんやまちの人たちが「助け合えるまち」のイメージ、
それは心から人に寄りそい、その人のために何かする気持ちをいつも持っていること。
そう感じました。
それは、旅館の女将さんがお客さんに実行している 「おもてなし」と通じるものだと気付きました。
京都市民ひとりひとりが おもてなしの心を持って、家族や、友達、初めて会う人、 どんな人に対しても接すれば、みんながみんなを助けられる世の中が実現すると構想しました。
最初はそんなことできるのだろうかと自信がありませんでした。
でも、ドリームプランプレゼンテーションで出会った人たちや、私が学んでいる心理学講座「日本メンタルヘルス協会」のような人たちは、
出会う人すべてに心から寄りそうことを実践し、初めて会う人にもやさしさ・思いやりの心を持って接しています。
このような気持ちの人がまちの中でも一人でも多くなれば、実現できる!と確信することができました。
建物や技術の継承だけでなく、家族や地域のつながりを意識したまちづくりを実行していきます。
過去から引き継いで来ていただいた京都や日本の文化を、新しいアイデアを用いて活かすことで未来の京都をつくります。
京都が変われば、日本中、世界中が注目します。
子どもや孫の世代が周りの人と助け合って、孤独を感じず無理せず暮していける、そんなまちの実現を一緒に目指しましょう。
イラスト:坂梨あやこ (http://sakanashi.jimdo.com/
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2011年12月 京都おもてな市民 代表 小林 千晶
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