1歳の誕生日を迎えるこのタイミングで出産回顧録を書こうと思ったのは、やっと1年たっていろんなことが整理できたからだ。

生後3カ月までは全く気持ちにゆとりはなく・・・生後6カ月までは仕事復帰でてんやわんや(死語?)

つい最近までは仕事と育児と家事でパツパツ・・・でも、ここであの辛かった日々を整理しておかなくては、私はもう一生振り返ることはしないだろう。

それでなくても前にしか進まない私。

猪年でもないのに、猪突猛進型の私。


しかし、あの日々は


振り返らずにはいられない


振り返らずにいたらもったいない


それくらい私にとっていろんな衝撃を与えてくれた日々だった。


2008年2月 妊娠が発覚した日

こんなことを書けば批判は覚悟の上


嬉しさよりも「どうしよう」


そんな気持ちでいっぱいだった。仕事、絶好調。やりたいことはたくさん。大企業なら制度も整っていてポジションも確保されるだろう。でも私の勤めている会社は上場しているとはいえ本当に小さな会社。

復帰後、今の自分のポジションが確保されているとはとても思えない・・・


どんどん大きくなるお腹。

つわりでつらくて思うように頭も身体も働かない。


マタニティ雑誌や育児コミュニティを開けば、本当に「ちゃんとしたお母さんたち」の記事や投稿ばかり。

子供をいつくしみ、子育てに幸せを感じ、母として妻として日々を楽しんで素敵に暮らしている。

そう、母親とは聖母マリアのごとく・・・


私は?


こんなに不平不満ばかりの妊婦、見たことない。

こんな私が本当に母親になれるのか?

妊娠していまだに子供のことより自分のことばかり考えている私。

母親の資格なんてないのではないか?


妊娠とともに生活も身体も激変する自分とくらべ、何一つ変わらずのほほんと暮らしている夫が真剣に憎かった。なんであなたはそんなに平然としているのか。


今考えればホルモンバランスの変化でうつうつとして思考に陥っていたのかもしれない。


でも当時の私はあらゆる変化に心が全くついていけてない状態だった。


そして、そんな自分は


人間失格



そんな風に思えてしかたなかった。


そんなある日、ネットの育児掲示板をなんとなく流し読みしていたら「妊娠したけど海外旅行に行きたい、何カ月くらいまで大丈夫ですか?」という質問に対したくさんの意見が寄せられていた。

中には「無理をせず何かあればすぐ休んで、現地のお医者さんもチェックしてから行くといいですよ。楽しんできてください」的な意見もあったけれど大半は「なぜ自分の楽しみを我慢できないのか」「赤ちゃんのことを第一に考えるべき」「旅行にいきたいのなら最初から避妊をするという方法をとることができたはずです」・・・どれも正論ごもっとも・・・


これは嫌味ではなく、本当に「世の中の多くのお母さんたちは本当にちゃんとしたお母さんなのだな」と、変な言い方だけど感心してしまった。


でも、ダメ人間の私は思ったのだ


・・・だけど妊娠即母親思考に切り替えられない人だっているんじゃないか・・・と。


そんな自分に苦しんでいる人もいるんじゃないか・・・と。


今の私のように。


私のブログは「自分がダメな母親なんじゃないか」「母親としてヘタレなんじゃないか」と悩んでいる人に読んでもらえたらいいなと思っている。

そして「なーんだこんなヘタレでも大丈夫なんだ」と思ってもらえたらいいなと思っている。


マリア様にはなれないけど、それでも母親をやっている。

それでも母親になっていく。


子供を育てるのではなく、子供が私を育ててくれている。


そんな気持ちなれるまで私は妊娠してからカウントしたら約2年かかった。

こぢろが1歳を迎えるこの時期にようやく


子供かわいい


と思えるそんな気持ちのゆとりが生まれてきたのだ。


最初は必死だった、どうにか無事に育てなければ、それだけでいっぱいいっぱい。


育児を楽しむ?!無理

楽しんでる余裕なんてない


毎日が私にとっては


修行


だった。


今やっとこぢろ1歳の誕生日を迎えて「産んでよかった」と思えるのだ。


これからもこぢろはぐんぐん育っていく。今後はもっともっと複雑なことで悩むのだろう。

男の子だし、私からあっという間に離れていってしょまうのだろう。

そして、ものすごくさびしくなるに違いない。


泣きながら、笑いながら、怒りながら、私は毎日をこぢろと暮らしていく。

あ、ダンナも一緒に。


私は私なりの母親になればいい。


マリア様にはなれないけど。