Eさんとは中学校の演劇部で知り合いました。
彼女は小柄だけど、何かしら目立つ要素を持った人でした。

生まれつきのブリーチしたような赤毛のストレート。
整った目鼻立ち。
特に長くて濃い上下の睫毛に包まれたでっかい黒目。
白目どこなんだ?ってくらいのでっかい黒目(黒目と言いつつ茶色いのですが意味わかりますよね。)

ここまで書くと、それ相応の美少女なんだと今なら思うのですが…。
当時は気付かなかったですね。
容貌に似合わぬダミ声と宰相のような話し方のせいかも。

彼女の一番の特徴は話し方だったと思います。
誰のことも逆なでせず、わかりやすく聞き取りやすく、でも何も残らない(すごい!)
で、まわりがよっしゃ、そうだそうだ、と動き出すとEさんは、もう混ざってしまって見えなくなる、みたいな。

先に雷くんが仲良くなり、彼女の家に何人かで遊びに行ったのですが。
彼女は自分の部屋の土壁を異次元とつないで色々なものを呼び出すと言うのです。
待てよ、呼び出すのかな。
勝手に出てくると言ったのかな。
今も昔も私は人の話を良く聞かずチョンボします。

彼女に通された部屋の土壁は、一見普通の土壁ですが
一カ所がグルグルと溶けそうに渦巻いているのです。
実際土壁が溶けているわけではないのですが、何かがうごめいているのです。
何処とつながって、何がうごめいてるのかなどわかりません。
でも『しぇええ!』と驚いたのは間違いありません。

で、このEさんが私と雷くんと三人とも古代の神官だと言ったのですよ。
私はちっさな島の山の神官だそうですが(笑

こんなすごいものを見た後も、まだまだ彼女らを信じきらない私も、親の都合で転校することになりました。
せっかくオーディーションで勝ち取った役も、引っ越しが決まった時点で辞退しました。
舞台の発表の日が、引っ越しの日だったのです。
泣く泣く中学と別れ、友達と別れ。

滅多にお互いが会うことも無くなったのですが、高校生になってから雷くんの家で集まりました。
Eさんも雷くんも相変わらずでした。
しかし彼女がいきなり私をビックリさせるようなことを言うのです。
意識を飛ばして私の家に何度も遊びに来たと言うのです。

「え~~~~~!」(またまたぁ~言っても見えないしさ~Σ(・ω・;|||)
半信半疑の私ですが、彼女の言葉は続きます。

「家の階段の下に男の霊がいて、追い返されて、キノコの部屋に入れないんだよね。」
(しぇ~~~~~~)

私の部屋、階段の向こう側なんですよ。
Eさん、私の家、来たこと無いよな。。。あったっけ???(汗
あ、いや。
あってもいいんですよ(自分の記憶力はさておき)
あってもなんで、そこに霊がいるって知ってるの?

私は中高生当時、自分の部屋に霊の気配を感じて、自分の部屋なのにいやがっていたのです。
男の霊?
知ってるよ~、なんかいるんだもん。

そんなわけで、またEさんを見直すはめになったのですが。

(後にその男の霊は、私の部屋がなんだかおかしなもので溢れ始めて消えてしまいました。もっと強いものに上書きされた感じです。そして今の私は普段は何も感じず平和に暮らしています。)

まぁ、私たちはこんな話ばっかしてたわけではありません。
マンガとかアニメとか。
オタクですから。
楽しくそれなりの青春を謳歌しました。

学校の成績ってなんなんでしょうね。
Eさんも雷くんも私よりずっと賢いと思うのですが、学校の成績に反映されない。
賢さと言うのは人との接し方に現れると思うのですが
Eさんなんかは誰ともトラブルを起こさない。
目立たない、沈まない、言うことは言ってるのに、角が立たない。
しっかり楽しみつつも乱れない。


私は小学校・中学校時代から雷くんやEさんと言った、いわゆる不思議ちゃん(そんなかわゆい感じではありませんが)と出会ってつき合っていただきました。
後に、私と前世で一緒だった、とか言う人とも会いましたが、何故か彼女らは私にとってのリアルな存在にはなりませんでした。
不思議なことを言う人と言うのは、あっちこっちにゴロゴロいますが、本物はそれを職業にしたりお金を取ったりしないのではないか、と思うのです。
堅気の仕事で働いたり奥さんしたりと、社会の中で一見普通に生きてるんじゃないかな。


彼女らと過ごしてる時、私はカラオケしたり、サークルの作品話なんかしてましたが、今思えば彼女らを観察してる方がよっぽど面白かったのにな、と悔やまれます。


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ありがとうございました。