雷くん(仮名)とは小学校の時知り合いました。
雷くんと言っても女の子です。
当時体が大きくて目が大きくて(彼女より目力のある人に会ったことがありません。)
男子よりも先生よりも、誰よりも強そうでした。

演劇部に入って仲間になって一緒にお芝居したり、互いの家に遊びに行ったり、下校の帰道おしゃべりするのです。
彼女は女子のリーダー格で、その雰囲気は…
三国志の武将みたいな感じでした。
体の底から出る大声は王者の一喝、でした。

子供同士の世界では強い者が単純にリーダーになるけれど、
大人の世界が近づいてくると、家の親の資産だとか、学歴だとか、愛嬌だとか根回しの上手さが大事になってくる。
彼女はその全部で損しているような人でした。

社会人になってもオタクな女の子同士集まって、創作作品を品評し合ったり、カラオケしたり楽しく過ごす時も、常に雷くんはリーダーでした。
まっすぐだし頭はいいし、才能は巨大だったし、なかなか素材は美人だったし(その感性は全く男性受けしないもので)この世界で滅多に出会えないような人でした。

私が会社勤めしながら、バイトで漫画を描いてた頃は泊まり込みでアシスタントもしてくれました。
大量に作ったおでんを食べ続けながら、一緒にトーン貼りをしてくれました。
ベタはへたくそで、後から手直ししなきゃいけなかったですけどw
マンガ当時は父のマンションで一人暮らししてて、雷くんが遠い場所から大勢仲間を引き連れてよく遊びに来てくれました。

子供の頃から私の変な能力?に気付いていたのも彼女です。
色々なことを知っているようでしたが、あえて自分から何か言うような人ではありませんでした。

中学校の演劇部で出会ったEさんと三人、特に不思議な三人だったと思います。
Eさんはそれからもずーっと創作サークルでも一緒でした。
Eさんが言うに、私と雷くんとは前世で神官だった、と言うのです。
彼女のニュアンスでは、Eさんと雷くんは大きな神殿の神官ぽいのですが、私は小さな島の神官だったらしいです。
それが本当なら私らしいや、であります。

雷くんはそんな不思議な話にも何も驚かず、当然のように受け答えしていて、何も覚えていないのは私だけだそうです。
そんな話は私には眉唾だったし、とても仲は良かったのですが内心、『おぬしら漫画の読み過ぎじゃ!』と思っていました。
後にEさんには驚くことがあったので、ちゃんと能力者なんだなーと驚かされたのですが。

ファッショナブルな人々はオタクのファッションを馬鹿にするけれど、見かけで判断するよりも彼らは興味深い人々です。
雑誌を見て浮かないけど素敵なファッションを研究して、上司にゴマをすって、上手に相手を見つけて結婚するなんて、雷くんのような人にとってロケットで月に行くよりも大変なことでしょう。

でも彼女はその前に、きっとこう言います。
「そんなことに意味はあるのか?」って。

彼女がもしも一流企業に入れてもらえて、学歴やお世辞が無意味なシステムなら、トップにのぼり詰めると思います。

私がエホバの証人になった時、怒ったらハルマゲドンより怖いはずの彼女が、とてもとても悲しそうだったのを覚えています。
信者以外との頻繁な交流を禁じる宗教だったので、エホバの証人に否定的だった彼女とはそれから会えていません。
今頃どうしているのでしょう。

王者のような風格で浮きまくっているのでしょうか。
でも何故か彼女はおつきの人に不自由しないのです。
今もきっと信頼出来る人々に囲まれていると思います。

会いたいです。
私から、会いに行かなきゃいけないんですよね。


*私はエホバの証人になっておよそ10年間活動をしましたが、現在はエホバの証人ではありません。すでに聖書に対する信頼を失っています。このブログはエホバの証人になることを勧める物ではなく、私の色々な経験を書かせてもらっているだけです。


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ありがとうございました。