「ハイエナ」、
「ハゲタカ」
この2つの言葉は同義語で
ネガティブな表現として用いられる言葉である。
人間界の経済活動において
経営危機に瀕した会社に目を付け、安値で買い漁り
経営改善させて株価を吊り上げ、高値で売り抜けて利益を得るファンドのことを
「ハゲタカファンド」と呼ばれ
とにかく弱い者に群がり、何か金銭や利権などをふんだくってやろうみたいなやつは
ハイエナみたいなヤツとかハゲタカみたいなヤツとか形容されることが多い・・・。
それはハゲワシやハイエナが
死肉を漁るという生態のイメージからきていることは
いうまでもない。
■スカベンジャー・ハゲタカ■
ちなみにハゲタカという動物は存在せず、
死肉を漁る
ハゲワシ類とコンドル類をまとめて
ハゲタカと呼ぶ俗称のようなもんである。
アンデスコンドル 学名(Vultur gryphus )
死肉漁りで生計をたてる正真正銘のスカベンジャー(腐肉食者)
空を飛ぶ鳥では世界最大で
南米チリ共和国の独立時、国鳥の候補に挙げられたが
その生態がゆえに落選したという!
腐りきってない野生動物の死体など、
都合よく見つかるわけがないわけだが
彼らはなぜ、狩りなどせず
死肉漁りオンリーで食いっぱぐれることがないのか・・・
それは上空を飛ぶことにより、
大地を広範囲にサーチでき、
そして瞬時にそのエサの方へ移動することが可能だからだ
コンドル類の場合、
嗅覚がかなり発達しており、
上空からでも死体の臭いをキャッチできるという!
ハゲワシ類は場合は
強力な視力で獲物をさがす。
■スカベンジャー・ハイエナ■
サバンナの掃除人と呼ばれるハイエナ。
死肉を漁りや他の肉食獣の獲物を横取りしたり、おこぼれを
いただいたりするイメージが強い。
しかし
ハイエナを代表するブチハイエナに関しては違うようだ!
ブチハイエナ 学名(Crocuta crocuta )
彼らは確かに死骸を食べるが、
レイヨウやシマウマを狩りによって仕留める捕食する割合の方が多いという。
群れで持ち前のスタミナを生かして
どこまでも獲物を追い詰めての狩りの成功率は
意外にも肉食獣の中でも最高レベルだ!
ライオンが仕留めた獲物に横取りしようとばかりに
群がるハイエナという光景はよくあるが、
実はハイエナが狩りで仕留めた獲物を
ライオンが横取りしてしまっているというケースが
大半なんだそうだ。
しかし
ブチハイエナはハイエナらしからぬハイエナで
他のカッショクハイエナやシマハイエナ
は
やはり死肉漁りがメインのようだ。
そんなネガティブな印象を受ける
ハイエナやハゲタカといったスカベンジャー。
自然界ではかなり重要な動物なのだ!
腐肉を喰らう彼らがいなければ
その大地に動物の死骸が散乱、そして腐敗がすすむと・・・。
そこから病原菌が繁殖。
そのサバンナの世界に病原菌が満ち溢れ
そこに棲むたくさんの動物たちは病によって
死に絶えていくという!
■必要とされなくなった?スカベンジャー■
人間界に入り込んだスカベンジャー(腐肉食者)がいる。
カラスだ!
ハシブトガラス 学名(Corvus macrorhynchus )
かつては野山で腐ったものが溢れないよう貢献した動物だったが・・・
今では
ゴミ捨て場で生ゴミを散らす人間にとって厄介者だ。
人間界ではゴミ収集車が来て
焼却炉で腐敗のもとである生ゴミを一気に処理できるわけで
カラスの生ゴミ散らしは具合が悪いというわけだ。
それは
人間は火を扱う唯一の動物であるからだ!
火で食べ物を調理して食中毒を防いだり、
仲間が死んだら火葬する。
火を利用することによって
あらゆる病原菌から体を守ったのである!
つまり人間にとって腐肉の処理(食べて)をして病原菌の繁殖を
防いでくれるスカベンジャーなど必要とせず
病原菌のもとは火で燃やし尽くして一発解決した方が
手っ取り早いわけである。