珍獣といえば、パンダ。

その珍獣ぶりは世界Sクラスといってもいいだろう。


パンダは肉食傾向の強いクマに近い動物ではあるが、
ほとんど笹や竹だけを食べる偏食家でよく知られている。


始熊猫  学名(Ailuaractos Lufengensis 

始熊猫


800万年前に生息していたパンダの祖先
肉食動物だったといわれている。
その後、中国の竹林でこの仲間から肉食と竹や笹を兼食する
雑食動物が現れ、

最後に現れたのが、ほぼ竹や笹のみを食べる

コイツだ!!


ジャイアントパンダ  学名(Ailuropoda melanoleuca

ジャイアントパンダ


もうすでに肉食は行わず(まれにネズミや死肉を喰らうそうだ)、
消化しづらそうな竹や笹、竹の子などの
硬い植物オンリーの食生活になっている。


では、肉食→植物に完全に食性を変えたのだから、
消化器官は植物対応の進化しただろうと思われるが、
実は何も変わっていない
植物を消化するには適さない

祖先譲りそのままの肉食獣の消化器官なのだ!!


肉食獣と草食獣の腸の長さの違い


このようにパンダの腸は、肉食獣のように短い!!


肉食動物の腸は短いのは
肉は消化しやすく、腸を長くする必要がない。
また肉は腐敗しやすいので、さっさと体から排出する
必要性もある。


逆に草食動物は消化しづらい植物を食べるので
腸を長くすることによって、時間をかけて消化できるわけだ。


ということは植物の中でも消化しづらい
笹や竹などを食べるパンダの
腸が短いのはあまりにも非効率だ!


実に食べた笹や竹の17%しか消化できない。

(ライオンは90%消化してエネルギーに変換できる)

しかも、パンダの消化器官内に生息する微生物は
肉類を分解するタイプというありさまだ!!


そして、まだパンダの腸が竹や笹を食べるのに
に適さないことを示す生理現象がある!!
実は1ヶ月に1度、拳ほどの粘膜の塊を排出する。
これは腸粘膜が剥離した塊なのだ!!
食性が合わないために1ヶ月に1度、腸粘膜を更新する
必要があるというわけだ。
これはかなりの痛みをともない、しばらくパンダは
元気がなくなってしまうほどだという。


これだけ竹や笹の植物に相性が悪いのに

パンダは竹や笹を食べ続けるのだ!!


なぜ、そこまで竹や笹にこだわるのか・・・。


それは竹は常緑植物なので雪の降る冬でも枯れることはない。
パンダはクマと違い冬眠しないことで知られているが、
冬場に獲物がなくて断食に苦しむより、
年中、食いっぱぐれることのない竹を食べることを選択したわけだ。


800万年前の肉食のパンダは
竹を食べることによって、後に来る氷河期を
生き抜いてきた動物ということになる。


しかしながら

現在の野生パンダの生息数は1,600頭ほどと

希少動物で人間によって手厚く保護されているが、

この食性の相性の悪さから

本来は自然淘汰しゆく動物なのかもしれない。


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