ラプトル類のハンティング

肉食の恐竜が獲物である植物食恐竜に走り寄り、

激しく抵抗する獲物と格闘!

捕食者である肉食恐竜はアゴの鋭い牙と大きな鉤爪を

武器に獲物にダメージを与えつつ、

格闘の末、獲物を倒し、その肉を喰らう・・・。


恐竜のハンティングとは

牙や爪を武器にして獲物を殺傷するといった

ハンティングのイメージが一般的である。


しかし肉食恐竜の牙は殺傷する武器として

使われるものではなく、

あくまで分厚い皮膚を引き裂き、

大きな肉塊を食べやすい大きさに

食い千切るためのものであると思う。


そして、肉食恐竜のハンティングは

とても気長で地味なものだった!


*******************************************


ジュラ紀・・・。

巨大な竜脚類の群れが、緑を求めて、

広い平原をゆっくりと歩き続けていた。

なぜか竜脚類の群れにたくさんの動物たちが

集まってくる、他の恐竜や爬虫類・小さな翼竜などなど・・・。

肉食恐竜と竜脚類の群れ

竜脚類の群れに

なんと、大きな肉食恐竜の姿も見られた。

「食う食われるの関係」でありながら、

行動をともにしているのだ!!


竜脚類たちはその肉食恐竜の存在に

怯えたり、追い返したりする行動は見られない。

彼らは肉食恐竜を敵として認識していなかった。


また肉食恐竜は竜脚類を襲うこともなかった。


鞭のような長い尾で・・・。

しかし、竜脚類はムチのように

長い尾を振り、肉食恐竜との距離を保った。

これはあくまで結果であり、

竜脚類は敵を追い払おうという意識はない。


そんなこんなで、

竜脚類、肉食恐竜、その他もろもろが

混合した大きな群れは

平らな平原をひたすら進むのだ!


しかし平原にも足場の悪い場所がある!!

そんなエリアに差し掛かったとき

腹を空かせ、しびれを切らしそうな

肉食恐竜たちのチャンスが訪れるのだ!

コケる竜脚類

竜脚類の1匹が段差に脚がつまずき


コケた!


コケたことによって大地に横たわる竜脚類。

たかがコケた。しかしそれは竜脚類にとって

極めて重大な事態である。

彼の巨体とその体型では

起き上がって、もとの体勢に戻ることは至難の業、


いや、不可能に等しい!!


竜脚類にとってコケるというのはつまり、死活問題なのだ

横たわる竜脚類はまさに、ほぼ無防備の状態!


それはまさに

「大地という大きな皿に盛られた活き魚料理」

といっても言い過ぎではない!!


肉食恐竜たちはその時を待っていたのだ!!


どんどん肉食恐竜たちはそこに集まり、

肉食恐竜の大きな牙で竜脚類の分厚い皮膚を切り裂いていく、

切り裂かれていくうちに、

何箇所にも肉塊が露出し、

その分厚い皮膚を切り裂く大きな牙をもたない

翼竜など他の小さな肉食動物も

そのおこぼれの肉にありつける。

恐竜たちの宴

それはまさに

幾多の種の生き物が集まる盛大な宴である!!


こうやって、たくさんの動物たちが

空腹で命を絶えることなく、生きながらえるわけだ。


そしてふたたび、巨大竜脚類の群れへと戻っていくのである。