普段は寒いからといってストーブに近づきすぎて

自分の毛を焦がしてしまう間抜けな野良猫、

しかも妊娠した身重の体である野良猫。

しかし!

ネズミ(獲物)を見た瞬間に

研ぎ澄まされたようなハンターの顔つきになり

今までに見せたことのない素早さで

ネズミの首を噛み、瞬殺したのだ!!


この野良猫の

「普段モード」と「ハンティングモード」の

ギャップとその切り替えの速さに唖然としたことがある。


これがハンターとして特化したネコ科動物の姿なのか!!


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ディニクティス  属名(Dinictis  )

ディニクティス

約4000万年前に現れた原始的なネコ科動物で

上アゴの犬歯が発達する方向に進化する

最初のネコ科動物だ。


そして犬歯を発達させたネコ科動物が続々と登場することになる


ホプロフォネウス  属名(Hoplophoneus )

ホプロフォネウス


ユースミルス  属名(Eusmilus  )

ユースミルス

ユースミルスの剣歯の長さは18cmにも及ぶという。

これらのネコ科動物の犬歯は発達が異様に著しく

犬歯と呼ばず「剣歯」とよばれ、

これらのネコ科動物は

俗に「サーベルタイガー」と呼ばれた!


そしてサーベルタイガーで忘れてならない

のがコイツの存在である!


スミロドン  属名(Smilodon )

スミロドン

その剣歯の長さはなんと24cmにも及ぶという。


これらサーベルタイガーたちの歯は

噛み砕くといったことに適しておらず、

昔ながらの捕食者たちが行ったという

獲物の体を噛み砕くといった原始的な狩りをしない。

この「長大な剣歯」「大きく開閉できるアゴ」

より巨大な獲物の首を深く突き刺し、

致命的な出血、または気管を損傷させ窒息させたのである。

これがネコ科動物が獲得した画期的な捕食方法なんだという


つまり、ピンポイントで急所を突き、

致命傷を負わせる高度なハンティングをやるのだという。

いわゆるクリティカルヒットだ!!


そして獲物が巨大であればあるほど、その皮膚は厚く、

それを突き破り致命的なダメージを与えるには

長大な剣歯が必要だったわけだ。

マンモスを襲うスミロドン


実に24cmの剣歯をもつスミロドンは

巨大の代名詞ともいうべきマンモス を獲物に

していたという。

さすがの百獣の王ライオン

マンモス並みのデカさのアフリカゾウ

獲物とすることはできない


スミロドンの頭骨 ライオンの頭骨


スミロドンは巨大な獲物を専門とする肉食獣だった。

巨大な獲物は守備力と体力が、必然と多くなるが、

巨体なため鈍重だ!

そのため、狩りは素早さより、パワー重視の攻撃力による

ウェイトが占められていたことだろう。


しかし

いずれ、獲物となる草食動物たちはレイヨウなど小型の

素早く疾走するものが増え、スミロドンの狩りの機会が

減ってしまい、姿を見せなくなったという。


スミロドン能力パラメーター チーター能力パラメーター

(太古ネコ・スミロドンと現生ネコ・チーター の能力パラメーターの比較)


それから、今でもライオンやチーターなどに見られる

獲物の首の延髄を切断させるなど致命傷を負わす

ネコ科特有のアサシン(暗殺者)的な狩りは受け継がれるも、

長大な剣歯による攻撃力は必要とせず、

より素早い瞬発力が求められるようになったのだ


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