私たちの目に見える世界がすべてではない!
私たちが見えない光も他の動物には見えたりするらしい・・・。
私たちの目に見える光(映像)は「可視光線」と呼ばれる
電磁波の1つの領域だ。
私たちの目には見えない電磁波には
赤外線や紫外線、X線など様々なものがある。
これらはみんな光の家族であり、光には波(波長)があり、
その波長の長さによって、分けられている。
今回は紫外線のお話。
夏になると、ちまたではお肌の大敵や皮膚ガンや白内障など
の原因など紫外線が話題になり、
UVカットやらUVケアなる化粧品やメガネなどの商品が、
街で溢れ返っている。
紫外線は目にダメージを与える電磁波である。
余談だが私も10年くらい前に東京アクアラインの海底トンネル工事に
仕事をしたことがあるが、暗いトンネル内で溶接の光を
長時間見てしまい、目に炎症を起こしたことがある。最初は痛みを
伴わないが、その夜に目の痛みというか激しい不快感、真っ赤に充血、
一睡もできない状態だった。まさにその夜は生き地獄だった。
目の炎症を起こしたのは眩し過ぎる急激な溶接の光を見たから・・・。
それは違う。
「眩しい」ということは、目に見えているので「可視光線」。
急に眩しい光を見たから目に炎症を起こしたと思われがちだが、
溶接の光には目に見えない紫外線が放射されており、
それが目に炎症を起こしたのだ。
よく勘違いするのが紫外線対策としてサングラスを
かける人がいるが、これは眩しさ(可視光線)を和らげるため
だけであって、目に見えない紫外線は妨げられていない。
むしろサングラスをかけた分、瞳孔が開き
目に紫外線によるダメージを増やす結果になる。
と話は長くなりましたが、
私たちヒトには見えない紫外線の領域を見ることの
できる動物はけっこうたくさんいる。
魚類、トカゲ、鳥類、昆虫の
中には紫外線感知できる種がいくつかいる。
モンシロチョウはオス、メスとも
白い羽をもっており、紫外線の見えない私たちに
とってはオス、メスの見分けは容易ではない。
しかし紫外線の領域まで見えてしまう
モンシロチョウにとってはそんなものは
朝飯前だ!!
それに紫外線が見えることは昆虫たちにとって
生きるうえで重要なことで、
例えば私たちには黄色い花にしか見えないが、
蜜をエサとする昆虫には
その花の花びらは黒く、蜜のあるところは白く反射し、
目立つようになっているという。
「鵜の目、鷹の目」といわれるように
ヒトの7~8倍という驚異的な視力の持ち主である鳥類では
花の蜜を主食とするハチドリが
紫外線が見えることを利用して
昆虫と同じく花の蜜のありかを容易に
見つけることができる。
このように、
紫外線感知というアビリティーは
エサである花の蜜を他の動物より早く獲得するための
有効なアビリティーのようだ。
また仲間内でわかるオスメスの区別、個体の識別にも
有効だ!!