日経マネー6月号の対談記事の中で、
ケンコーマヨネーズについても少し触れましたが、
この銘柄については特に注意が必要です。
この会社、マヨネーズとついていますが、
既にマヨネーズ会社ではありません。
以下は同社の中間決算説明資料ですが、
サラダや卵料理がメイン商材の成長企業と言えるでしょう。
この会社はサラダ市場日本一を目指しており、
長期的に見て有望と判断しました。
ところが株価の方は大きく低迷しています。
この会社の主力商品であるポテサラの主原料であるジャガイモが高騰しているんですね。
ポテトチップスの一部商品が販売停止に追い込まれるニュースが流れましたので、
ご存じの方も多いと思いますが、
昨年北海道を襲った台風3連発の影響はかなり深刻なのです。
元に戻るのに2~3年かかるとの専門家の見方もあります。
その間、株価は良くて横ばい。悪いとさらに一段下落まで可能性があるでしょう。
さらにまるで計算したかのようなタイミングで1月10日に大型増資を発表したため、
チャート的にはきれいな三尊天井(ヘッド&ショルダーズトップ)が形成されてしまいました。
増資近辺の株価になると需給的にも重たくなるし、
ちょっと株をかじった人なら三尊天井くらいは皆知っていますから、
当面、人気は離散する可能性が大です。
この会社、増資で手に入れた資金で次々と大型工場を建設する計画ですが、
これも目先の費用増加要因となります。
意外な決算がネガティブサプライズとなって、
大きく売り込まれるリスクがあるのです。
普通はこんな株には近寄らないでしょう。
そこがねらい目です。
1~2年単位でみると気分は暗くなってしまいますが、
3~5年単位でみると景色は全く違います。
おそらくジャガイモの生産は回復するでしょうし、
新工場が次々と立ち上がってきますから、
長期的に見れば売り上げ増は必至です。
2013年のノーベル経済学賞では、
効率的市場仮説の提唱者であるシカゴ大学のユージン・ファーマ教授と
効率的市場仮説は妥当ではないとするイエール大学のロバート・シラー教授という
正反対の理論を唱える二人が同時受賞したことで、
一部のマニアックな長期投資家の者の間ではずいぶん話題になりましたが、
個人的・実践的な理解として、
短期的にはユージン・ファーマ教授は概ね正しく、
中長期的にはロバート・シラー教授が正しいと考えています。
つまり、今回のケンコーマヨネーズのように、
短期投資家と長期投資家で評価が真反対となる場合に、
大きなチャンスが生まれると考えているのです。
「何年でも待てる」というのは個人投資家の強みです。
とりあえずは、やや少なめにこの銘柄を保有していますが、
シコタンタンと本格買いのタイミングを図っている次第です。
本日も、参考になりましたら、
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